ロングホイールベースなアイツ。

やっぱりラリーが好きなのだっ! »  » ロングホイールベースなアイツ。

先日、アルゼナウのファクトリーで行われた新世代i20 WRC2016の発表会で、ヒュンダイの全ドライバーたちが口を揃えるように2015年のマシンよりずっと速くてパワフルだと述べております。彼らの興奮ぶりからもかなり潜在能力の高いマシンであることが伝わってくるように感じました。

これまでの3年間、敵なしの速さをみせてきたVW。それに対してヒュンダイのニューマシンが来シーズン、どのようなパフォーマンスを見せてくれるのか、本当に気になるところです。
151215_i20wrc2016_sideview.jpg
個人的にちょっと注目してみたいのはその特徴的なホイールベースの長さです。ヒュンダイ2016のホイールベース2570mmは、2015年スペックのi20より45mmも長く、ポロWRCに比べて90mmも長いのです!

Hyundai i20 2016=2570mm
VW Polo 2015=2480mm
Citroen DS3=2461mm
Hyundai i20 2015=2425mm

ヒュンダイ2016は、現行マシンのなかではもちろん最長のホイールベースとなります。この数字はいまのBセグメントのマシンよりちょっと大きめのCセグメントで争われていた2リッターターボ時代のWRカーに近づくものです。

Citroen C4 2010=2608mm
Ford Focus 2008=2640mm
Subaru Impreza 2008=2635mm
Ford Focus 2006=2615mm
Subaru Impreza 2007=2520mm

一般的にショートホイールベースのマシンは俊敏な動きを得意としており、ロングホイールベースは高速コーナーでの安定性に優れると言われています。最新のWRカーはどれもこれもショートホイールベースでキビキビと動く代わりに不安定な特性をもつためドライビングに慣れるのに時間が掛かるとも言われています。

というわけで、ヒュンダイの新世代i20 WRCは今年、たとえばモンテカルロのようなテクニカルなステージは苦手かもしれないし、その反対にスウェーデンのような高速ステージはひょっとしたらVWをねじふせるような速さを見せてくれる可能性もあるような気がするのです。

それともう一つ、僕がどうなるのか注目したいと思っているのは、2017年から新しいWRカーになったときに、はたしてこのホイールベースの長さがマシンの特性にどう影響するのかということ。これまでショートホイールベースのマシンに極端にトリッキーな特性が顔をださなかったのは、パワーも300馬力そこそこしかないし、サスペンションとデフがうまく制御されてきたからであって、380馬力という大きなパワーを与えたときにマシンはかなり大暴れん坊になるのでは?

というわけで、ひょっとしたらヒュンダイのロングホイールベースは時代を先取りしているんじゃないかと妄想全開で夜は更けるのでありました。

« 前の記事へ

次の記事へ »