走行ルール、完全迷宮入りの予感。

やっぱりラリーが好きなのだっ! »  » 走行ルール、完全迷宮入りの予感。

いまのランニングオーダーシステムが、セバスチャン・オジエにとってあまりにも不公平であることから見直しの動きがあるようです。
160622_ogier.jpg
どのようなアイディアがふさわしいのかを巡って、例によって例のごとくさまざまな思惑が入れ乱れ、意見がいくつかに割れているようですが、15年間にわたって解決しなかった問題に決定的な解決策が見つかるはずがないという冷静な意見もあります。

そもそも、初日は選手権の順で、その翌日以降は前日の順で走るというルールにメスが入ったのは2002年のことでした。初日は選手権の順でそれ以降はリバースでスタートすることで走行ポジションへの不満は解消したはずが、ローブが勝ちまくるという事態が発生し、2008年から二日目以降は前日の順位でのスタート順へと戻されるのですが、後方での有利なポジションでスタートするために故意にスローダウンする戦略が次第にエスカレートした結果、タイムコントロールにわざと早着したり、ステージでスローダウンするドライバーが続出して大混乱。純粋な速さでの勝負どころの騒ぎじゃなくなったのです。

けっきょく、戦略を禁止するルールが決まった(2010年トルコ)あと、2012年から予選による新しい初日のランニングオーダーシステムが導入され、二日目以降も2002〜2007年と同様にリバースでのスタートとなったわけですが、この予選システムは、予選で速かったドライバーが最終日までもっとも有利な条件で走れるという弱点があり、オジエが全8戦のグラベル戦で6勝を挙げた2013年を最後に廃止、翌年からは初日を選手権順にしたわけですが、オジエの勢いを一向に止めることができなかったために、2015年からは初日と二日目を選手権順に、2016年からはそれまで先頭で走らせていたラリー2ドライバーも後方で走らせることにしたため、完全に選手権リーダーは初日と二日目をトップで走ることになったわけです・・・。

と、まあ、こうやって歴史を紐解いてみると、ここまでさまざまなルールの変更が行われたにもかかわらず、走行順の問題はスパッと解決したことは、この15年、一度もなかったのです。さらに最終日のテレビ中継の視聴率をとりたいプロモーターの意向が加わり、もはや誰もが満足するランニングオーダーを探すのは絶対に不可能になったように私には思えるのです。

私は個人的には2002〜2007年および2014年方式がこのなかではもっとも公平な走行ルールだと思うけど、みなさんはいかがでしょうか。私は速いドライバーにはどんどん勝ってもらいたいのですよ!

« 前の記事へ

次の記事へ »