WRC2020/03/12

「ラリー2」は今後は「リスタート(再出走)」

(c)FIA

 世界ラリー選手権においてリタイアしたあと、ペナルティを課されて翌日に再出走することはこれまで「ラリー2」と呼ばれてきたが、今季からは「リスタート(再出走)」と呼ばれることになる。

 ラリーピラミッド構造の変革に伴い、FIAは2020年から世界ラリー選手権のサポートカテゴリーや参戦ラリーカーの名称を見直し、これまでグループR5と呼ばれてきたマシンは新たにRally2という英語・フランス語表記ともに統一した呼称に改められている。しかし、これまではリタイアしたあとの再出走を「ラリー2」(英語表記はRally 2、フランス語表記はRallye 2)と規定していたため、まぎらわしいとの指摘がなされてきた。

 しかし、こうした声に対して、FIAラリーディレクターのイヴ・マトンは、SNSにおいて該当するWRCスポーティングレギュレーションの項目を掲載するとともに、「昨年末に発効した2020年WRCスポーティングレギュレーションでは、再出走のことをリスタート(英語ではre-start、フランス語ではnouveau depart)と呼んでいる」と回答している。

 リスタート(再出走)ルールの基本的な考え方に変更はなく、メカニカルトラブルなどでリタイアしたクルーは、オーバーナイトリグループを挟んで翌日の最初のセクションからリスタートすることが認められるが、昨年までは走行できなかったステージ(スーパーSS含む)についてはそれぞれ7分(その日の最終ステージのみ10分)のペナルティを各プライオリティ(P1、P2など)のドライバーの最速タイムに加算したものをステージタイムとして再出走していたが、2020年からはすべてのステージが10分のペナルティへと変更になっている。

 また、P1ドライバーが土曜日と日曜日にリスタートするときは、これまでと同様に前日の順位のリバースで出走するP1ドライバーの前に走行することになる。