WRC2022/12/30

【TOP10-第4位】エルフィン・エヴァンス

「自信が掴めないままに一年が過ぎた」

■エルフィン・エヴァンス

Elfyn Evans
Toyota GAZOO Racing WRT

ワールドチャンピオンがセミリタイアした2022年は今度こそエルフィン・エヴァンスのシーズンになるはずだった。しかし、恐いもの知らずの勢いに乗った21歳のカッレ・ロヴァンペラに完全にテーブルをひっくり返されてしまい、エヴァンスの速さは影を潜めてしまった。

エヴァンスは2年連続してドライバーズ選手権でセバスチャン・オジエに敗れて2位に終わったが、もし彼が1年前のレベルのパフォーマンスを一貫して発揮していれば、おそらく2022年も選手権でもっと手強い存在になっていただろう。しかし、彼は新しいハイブリッドのRally1カーのフィーリングをなかなかつかむことができず、苦しいシーズンを送ることになった。

シーズンのスタートからエヴァンスは躓くことになった。モンテカルロのコースオフ、スウェーデンのスタックとハイブリッドエラーという些細な不運の連続にもみえたが、わずか2戦を終えただけで選手権リーダーのロヴァンペラから46ポイントも出遅れてしまい、エヴァンスを精神的に苦しめることになった。

エヴァンスは、ポルトガル、ケニア、エストニアで2位となったが、ここでもいずれもロヴァンペラに勝利を奪われてしまう。2位ではダメなのだ。若きチームメイトとのポイント差を少しずつ縮めるどころか、79ポイント差まで突き離されてしまった。

ベルギーでタイムコントロールに遅れたことによる10秒のペナルティによって優勝のチャンスを失った。彼はペナルティ原因をつくったコドライバーの指示ミスをけっして責めようとしなかった。悪いときには不運が重なるものだ。

トヨタ勢にとって最悪のイベントとなったギリシャではチームでもっともいい4位につけていたがターボを壊して万事休す。ニュージーランドでは首位で迎えた2日目にタナクに追われてスピン、その直後クラッシュするという彼らしくない結果に終わっている。

それでもエヴァンスは最後まで気迫の走りで勝利を求め、最終戦のジャパンでもヌーヴィルとの激しいトップ争いを演じることになった。残念ながら、彼はここでもパンクで優勝を失うことになり、0勝のままシーズンを終えることになった。

エヴァンス自身でさえ期待外れの結果を嘆くシーンがいくつもあった。新しいGRヤリスとの一体感を高めるための努力はしたものの、彼が期待するような高いレベルにはまだまだ達していないようだ。

彼はマシンの競争力に自信をもちながらも、さまざまな調整をしても求めているフィーリングや自信が掴めないのは、自身のドライビングスタイルに原因があると考えているようだ。それが2023年の最大のテーマになると彼は語っている。

生年月日:1988年12月28日(34歳)
選手権ランキング:4位
獲得ポイント:134点
ベストリザルト:2位
優勝回数:0回
2位の回数:4回
3位の回数:0回
表彰台回数:4回
出場回数:13回
ベストタイム回数:32回
リードしたステージの数:37SS
リタイア数:3回
リスタートの回数:2回
パワーステージ勝利数:0回
パワーステージ獲得ポイント:22点