WRC2017/12/27

【TOP10-第6位】エルフィン・エヴァンス

エルフィン・エヴァンスは、母国ラウンドのラリーGBで初優勝を飾り、この伝統の一戦における4人目の英国人ウィナーとなるとともに今季の世界ラリー選手権で7人目のウィナーとなった。英国出身のドライバーが地元で勝利するのは2000年のリチャード・バーンズ以来、17年ぶりのことだ。

■エルフィン・エヴァンス

エヴァンスは今年のアルゼンチンでも1分以上もリードしていながらパンクとリヤのディフューザーを壊して瞬く間にリードを失い、最終ステージでティエリー・ヌーヴィルに0.7秒差で逆転負けを喫することになった。そのときの苦い経験がシーズンを通じて彼の勝利への強い気持ちを駆り立てたようだ。エヴァンスはラリーGBを3日間にわたってリードし続け、最終的に37秒をリードしてキャリア初優勝を飾ることになった。

「(アルゼンチンで)勝利にトライした時にはティエリー(・ヌーヴィル)に阻止されたが、正直なところ、今回は決して誰にも邪魔させるつもりはないと決心していた。心のなかでは僕は常に勝利に手の届くところにいると感じていたので、今回もあまり緊張しなかった。勝利はとても気分がいいので、もっとこの気持ちを味わいたいよ」とエヴァンスは語っている。

エヴァンスの勝利はラリーGBスペシャルともいえるDMACKタイヤのおかげだという声もあるが、ワールドチャンピオンのセバスチャン・オジエはそれは間違っていると語り、エヴァンスを擁護している。

「一番いいタイヤを持っていたのだからこの勝利が容易だったと言う人もいるかもしれない。しかし、このようなコンディションのウェールズでエルフィンはミスを犯さなかった。彼は素晴らしい仕事をしたよ」とオジエは語っている。

ラリーGBにおいてロジャー・クラーク、コリン・マクレー、そしてリチャード・バーンズという英国人のウィナーリストに加わることはレジェンドの仲間入りを意味するが、エヴァンスはまだその時期ではないと、はにかんだ笑顔をみせている。

「彼らはラリーのレジェンドだ。大きな夢を持って自分のできる最高の仕事をしたいと常に願ってきたが、レジェンドはあまりに偉大な言葉だ。その言葉に見合うような本当に特別な瞬間まで、その言葉は残しておくべきだ」

成績不振を理由に2年にわたってワークスシートを失ったエヴァンスは雌伏の季節を耐え、自信とともに速さを身につけて2018年にMスポーツ・ワールドラリーチームのレギュラーシートに戻ってくる。2001年のバーンズ以来となる英国出身チャンピオンを期待する声が地元では高まっていることに、彼はプレッシャーを感じながらも、それが非現実な夢ではないことを確信している。

生年月日:1988年12月28日(29歳)
選手権ランキング:5位
獲得ポイント:128点
ベストリザルト:1位
優勝回数:1回
2位の回数:2回
3位の回数:0回
表彰台回数:3回
出場回数:13回
ベストタイム回数:27回
リードしたステージの数:37SS
リタイア数:1回
ラリー2の回数:2回
パワーステージ勝利数:0回
パワーステージ獲得ポイント:13点