WRC2022/12/25

【TOP10-第9位】ピエール-ルイ・ルーベ

「世界を虜にしたギリシャの走り」

(c)M-Sport

Pierre-Louis Loubet
M-Sport Ford WRT

ピエール-ルイ・ルーベがこれほどの旋風を巻き起こすことを想像していた人がいただろうか。アクロポリス・ラリー・ギリシャで、彼はキャリア初のWRCステージ勝利を挙げるとともに、伝説の英雄でもあるセバスチャン・ローブから一時的にリードを奪うことに成功する。若手ドライバーでもっともセンセーショナルな印象を残してシーズンを終えることになった。

2021年のシーズン中、ルーベの2Cコンペティションでの評判は最悪のものだった。なかなか調子が上がらず、成績に苦心し、8戦に出場して7戦でリタイアした挙げ句、ついには交通事故で骨盤を骨折してシーズンを途中で終えることになった。そのため、ルーベが 2022 年にMスポーツ・フォードからヨーロッパのみのWRC参戦プログラムに乗り出したときも期待感は控えめなものだった。

クロアチアではパンクに見舞われてスロースタートとなったものの、サルディニアではキャリア最高位の4位フィニッシュ、俄然注目を集めることになった。

とりわけ印象的だったのはギリシャだ。彼は自身初のWRCステージ勝利を挙げるとともに、Mスポーツのチームメイトだったローブを抜いて一時ラリーリーダーに立つセンセーショナルな走りを見せることになった。残念ながら彼は2位で迎えた土曜日の朝、パンクに見舞われて初ポディウムのチャンスを失ったものの、サルディニアに続く自己ベストの4位でフィニッシュした。

このとき、ルーベはギリシャの速さを披露できたことを喜びつつも、出走順のアドバンテージがなくなった土曜日の時点でトップドライバーたちに追い付かれたことから、彼らに近づくためには、まだまだ速さが足りないと冷静な分析をしている。ファクトリーのレギュラードライバーたちと対等に競争するには、より多くのイベントに参戦することが必要なんだと訴えていた。

必死であるほどその思いは届くものだ。ルーベは来シーズン、Mスポーツ・フォードから初めてWRCにフル参戦を果たす。その傍らにはベテラン・コドライバーであるニコラス・ジルスールが座ることになる。 10年間にわたってティエリー・ヌーヴィルのコドライバーを務め、WRCで13勝を飾っているジルスールは新しいチャレンジを開始するルーベにとってこれ以上ない強力な援軍になりそうだ。

■ピエール-ルイ・ルーベ
生年月日:1997年2月18日(25歳)
選手権ランキング:13位
獲得ポイント:31点
ベストリザルト:4位
優勝回数:0回
2位の回数:0回
3位の回数:0回
表彰台回数:0回
出場回数:7回
ベストタイム回数:3回
リードしたステージの数:2SS
リタイア数:2回
リスタートの回数:1回
パワーステージ勝利数:0回
パワーステージ獲得ポイント:0点