Raid2022/01/05

アウディ、初のダカールステージ優勝

(c)ASO/DPPI

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 ダカール・ラリー2022の第3ステージは、アウディ・スポーツのカルロス・サインツ(アウディRS Q e-tron)がアウディ初のダカールステージ優勝を果たした。トヨタGAZOO レーシングのナッサー・アル-アルアッティーヤ(トヨタGRダカールハイラックス)のリードは37分40秒になった。

 バーレーンレイド・エクストリームのセバスチャン・ローブ(BRXハンター)は2度のパンクに見舞われ、優勝の可能性は大きく後退した。

 サウジアラビア北部の豪雨により、月曜日に予定されていたアルタウィヤのビバークがキャンセルされたため、火曜日の第3ステージのアイテナリーはアル・カイスマのループへと変更され、100km ほど短縮されて255kmで行われることになった。

 月曜の第2ステージを制したローブは、首位のアル‐アッティーヤから9分遅れでアル・カイスマのループをスタートしたが、スタートから4輪駆動を失い、さらにオープニングスプリットを前にパンクで17分以上を失い、このステージで合計33分34秒の遅れをとった。

「フルホイールのドライブ無しで250kmを走行したので、砂丘を越えるのが大変だった」とローブはステージ後に語った。

「もちろん、タイムを失ったことは残念だけど、33分しか失わずにフィニッシュできて良かった。今日の僕たちの手持ちのカードでは、もっと失っていてもおかしくはなかった」

「僕たちはダカール・ラリーの最初の週で総合2位にいる。このイベントの難しさは誰もが知っているので、巻き返しは十分可能だ」

 第3ステージでは、スタート直後はトヨタGAZOO レーシングのヘンク・ラテガン(トヨタGRダカールハイラックス)が驚異的な速さを見せた。南アフリカ・クロスカントリー・ラリーの王者であるラテガンは、ステージ開始から48km地点の最初のスプリットでサインツに32秒の差をつけてリードしたが、最後から2つ目のウェイポイントでサインツがトップに浮上、最終的に38秒のアドバンテージを保ってトップタイムでフィニッシュし、アル・カイスマからサウジの首都リヤドに向かう水曜日のアイテナリーを一番手でスタートすることになった。

 アウディは日曜日のスタートこそ悪夢のような一日となったが、ステファン・ペテランセル(アウディRS Q e-tron)がステージの3番手タイム、チームメイトのマティアス・エクストローム(アウディRS Q e-tron)が5番手タイムとなり、この日は再び好調な1日となった。

 バーレーンレイド・エクストリームのナニ・ローマ(BRXハンター)が4番手となった。ローマは終始安定したペースで走行し、最後のスプリットでエクストロームの前に出て、サインツから2分41秒遅れでフィニッシュした。

 総合首位の座を堅持したのは、トヨタGAZOO レーシングのナッサー・アル-アルアッティーヤ(トヨタGRダカールハイラックス)。アルアッティーヤは、月曜日の第2ステージ終了後にデータロガーが電源に接続されていないことが判明、チーム代表のジャンマルク・フォンタンはスチュワードに「単純なミスだ」と弁明したたが、スチュワードは5000ユーロの罰金とダカール2022の猶予付きの失格処分を科している。同様の違反が再び行われた場合には失格処分が執行されることになる。

 競技規則では、各ステージの前にデータロガーが電源に接続されていることを確認するのは競技者の責任であり、この規則に違反した場合は罰金と失格の対象となることが定められている。そのためアル‐アッティーヤにはさらに重い罰則が科せられる可能性もあったが、チームには違反を修正する時間があるためにこのような措置がとられた模様だ。

 アル‐アッティーヤは2番手出走からこのステージでは5分以上遅れたものの、ローブの不運を生かし、37分40秒差をつけて総合首位の座を堅持した。

 ローブから4分26秒遅れの総合3位にはオーバードライブのルシオ・アルバレス(トヨタ・ハイラックス)が続いている。ジニール・ドゥ・ヴィリエ(トヨタGRダカールハイラックス)は前日、2輪との接触でペナルティを科されたために6位へと後退したが、ふたたび4位へとポジションを戻している。