Raid2023/01/07

アウディ勢に悪夢、トヨタが1-2-3-4

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 2023年ダカール・ラリーの金曜日、トヨタGAZOOレーシングのナッサー・アル-アッティーヤ(トヨタGRハイラックスDKR T1+)が第6ステージで勝利を飾って優勝に向けて大きく前進する一方で、ライバルを追撃してきたステファン・ペテランセルとカルロス・サインツの2台のアウディ RS Q e-tron E2 T1-Uが相次いで同じ場所でクラッシュするという波乱に見舞われている。

 金曜日の第6ステージはハイルからアル-ドゥワディミまでの走行が予定されていたが、前日にアル・ドゥワディミのビバークが浸水したため、スペシャルステージは100km短縮され、その代わりに休息日であるリヤドまでの長いリエゾンを走るルートへと変更となった。

 第6ステージの序盤から激しくプッシュしたのは、ラリーリーダーのアル-アッティーヤから22分遅れの2位につけるペテランセルだった。彼は第2チェックポイントでアル-アッティーヤを抜いてトップに躍り出したが、第5ウェイポイントを前にして大きなクラッシュに見舞われてマシンを止めることになった。

 このアクシデントでナビゲーターのエドゥアール・ブーランジェは背中を負傷、ヘリコプターで近くのブライダ病院へ搬送されることになったため、ラリーの続行は不可能となってしまった。

 さらにアウディの不運は続き、チームメイトのリタイアした場所からわずか30メートルと離れてない場所で今度はサインツがクラッシュ、タイヤを吹き飛ばしたマシンは身動きできない状態でストップしており、チームのアシスタントを待つことになった。

 サインツは第4ステージのサスペンション破損とパンクに見舞われて首位から8位へと後退したあと4位まで追い上げていたが、第6ステージのアクシデントのダメージはかなり大きいと報告されており、ラリーを続けられるかどうかはっきりしていない。

 また、トップグループでトラブルに見舞われたのはアウディ勢だけではない。3位につけていたオーバードライブ・レーシングのヤジード・アル-ラジ(トヨタ・ハイラックスT1+)も216km地点でストップ、メカニカルトラブルの解決に手間取っており、ゴールへの到着が大きく遅れている模様だ。

 追撃陣に相次いだトラブルによって、アル-アッティーヤは1時間06分という圧倒的なリードを築くことになり、チームメイトであるヘンク・ラテガン(トヨタGRハイラックスDKR T1+)が総合2位で続くことになった。

「とてもタフなステージで、簡単ではなかった。本当にたくさんプッシュしたけど、最後の40kmでパワーステアリングのポンプが壊れてしまい、ステアリングが効かなくなった。オイルがたくさん出たけど、これから修理してリヤドに向かうよ」とアル-アッティーヤは語っている。

 ラテガンから6分29秒差の3位にはオーバードライブ・レーシングのルーカス・モラエス(トヨタ・ハイラックスT1+)が浮上、TGRのジニール・ド・ビリエ(トヨタGRハイラックスDKR T1+)が4位で続き、トヨタが前人未到の1-2-3-4体制を確立することになった。

 バーレーンレイド・エクストリームチームのセバスチャン・ローブ(BRXハンターT1+)は、パンクに見舞われながらも2番手タイムでステージを終えたが、トップからは1時間57分も遅れており、悲願だったダカールの優勝の可能性はほぼなくなった。