WRC2019/02/26

アバルト124ラリー、エンジンなどアップデート

(c)ERC

 2019年は、カルロ・アバルトが1949年に自身のブランド、アバルトを立ち上げてから70年を迎える。フィアット&アバルト・ブランドの代表を務めるルカ・ナポリターノは、アバルト・ブランドにとってのモータースポーツの重要性とシーズンに向けたアバルト124ラリーの刺激的な変化について語った。

 アバルトは今季、ヨーロッパ・ラリー選手権(ERC)と併催でプライベートチームをサポートし、ERC全8戦のうちの6戦においてアバルト・ラリーカップ2019をワンメイクのシリーズとして開催する。開幕戦は5月のカナリアス、以降、ラトビア、ポーランド、ローマ、チェコ、ハンガリーでイベントが開催され、これらの各ラリーでは、サービスエリアにおいて、アバルトが技術スタッフ、部品サービスとホスピタリティゾーンを提供する。

「一昨年はモータースポーツにおいて素晴らしい年だった。アバルト124ラリーはレース年度として2回目のシーズンで12の国内選手権で40回以上のクラス勝利を収め、FIA R-GTカップを優勝し、R-GTクラスの王者としての地位を確立した。このような素晴らしい成果によって、我々はアバルトの70周年を誇りを持って迎え、祝うことができる」とナポリターノ代表は語った。

「アバルト・ブランドの歴史は競争に根ざしている。アバルト124ラリーの開発作業における我々の目的は非常に明確だった。性能を向上させ、セットアップ手順を簡素化し、さらに信頼性を高めることだ。昨年の124ラリーは、52レースのうち技術的な理由によるリタイアはわずか6回のみであり、非常に印象的なレベルで信頼性を達成したことを証明できた。その後この情報を最初の2年で収集されたデータと組み合わせ、大きくアップデートされた124ラリーを発表することができた」

「エンジンの最大出力レベルは同じだが、しかし我々は低回転域でより太く、高回転域でよりシャープな新しいトルク曲線によって、この出力をより上手く利用することにした。実際、ドライビングが簡単になると、より効果的で高速なパフォーマンスが見られる。124ラリーは非常に困難なコンディションにおいても常にうまく対処してきたが、特にスノーやアイスなどグリップが低い路面での走行性とハンドリングを改善するために、サスペンションやトランスミッションの改良を行った。トランスミッションの開発作業にはディファレンシャルとトラクション・コントロールも含んだ。またギヤボックスは、特にアップシフトでの高速のギヤチェンジを可能としており、ダウンシフトはよりスムースなギヤチェンジを実現している」

 FIA R-GTカテゴリー技術規定に準拠するアバルト124ラリーは、ERCアバルト・ラリーカップへの登録料を含めて11万ユーロ(およそ1385万円)で購入可能となる。