Raid2022/01/13

アル-アッティーヤ、5分間のペナルティも首位安泰

(c)ASO/DPPI

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 ダカール・ラリー2022は、水曜日に第10ステージを迎え、ステファン・ペテランセル(アウディRS Q e-tron)が今大会初、アウディにとって3度目となるステージ勝利を獲得した。総合首位のトヨタGAZOO レーシングのナッサー・アル-アルアッティーヤ(トヨタGRダカールハイラックス)は5分のペナルティを課され、2位のセバスチャン・ローブ(BRXハンター)とのギャップはこの日を終えて32分40秒まで縮まったが、残りはあと2日間であり、首位は安泰だ。

 ワディ・アド‐ダワシルからビシャまでの375kmは、今大会最速のステージのひとつだ。最高到達地点が標高1770mに達する壮大な景色のなかを序盤からアウディ・スポーツの2台のRS Q e-tronが先行する。ペテランセルは序盤、チームメイトのカルロス・サインツを追って2番手を走行していたが、第3ウェイポイントでトップに立った。

 ダカールで14度の優勝経験を持つペテランセルは、その後着実に後続との差を広げ、サインツに2分06秒の差をつけてステージ勝利を収めた。ペテランセルにとって、これが今大会初のステージ勝利となり、第3ステージのサインツ、第8ステージのエクストロームに続き、これでアウディのドライバー3名全員がニューマシンのデビュー戦でステージ勝利を達成した。

 総合順位では、アル‐アッティーヤが首位を維持しているが、残り2ステージを前に、月曜日の第8ステージにおけるシートベルト違反により5分間のペナルティが課せられたため彼のリードは32分40秒に減少した。パンクしたタイヤを交換するために停止した後、シートベルトを適切に装着しないまま再スタートし、走行を開始したあとでマシュー・ボーメルにステアリングを握らせてシートベルトを締めせていたことが車載映像から確認されたためだ。

「僕たちは大きなタイムロスなくステージを終えることができた。セブには1分しか譲らなかったので、明日は良いポジションでスタートできるだろう。今日はパンクもなく、マシンも完璧で、マシュー(・ボーメル)のナビゲートも良かった。少しずつ優勝に近づいている。でもまだ終わっていない。まだ2日ある。初日からずっと優勝を意識していた」とアル-アッティーヤは語っている。

 プロドライブから参戦中のローブは、一時、8番手タイムまで順位を落としたものの、持ち直して最終的に5番手でフィニッシュし、7番手でフィニッシュしたライバルのアル‐アッティーヤから1分35秒を奪った。

 アル-アッティーヤのペナルティでその差はさらに大きく縮まったとはいえ、残りはあと2日だ。ローブはなすすべがないことを認めつつも、最後までプッシュし続けると語った。

「このような高速のステージでは、何もすることがない。ただひたすら15kmごとにスロットルを開けて、それ以上できることはない。ナッサーとの差もたいして縮められなかったが、それは当たり前のことで、ステージ全体をフラットに走ったのだから、このようなスペシャルで大きなゲインを期待することはできない。差が大きすぎて、もはやレースは僕らの手には負えないが、最後まで全力を尽くしていくよ」