Raid2022/01/06

アル-アッティーヤが2つめのステージ勝利

(c)ASO/DPPI

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 ダカール・ラリー2022は水曜日に第4ステージが行われ、トヨタGAZOO レーシングのナッサー・アル-アルアッティーヤ(トヨタGRダカールハイラックス)は、オーバードライブ・レーシングのヤジード・アル-ラジ(トヨタ・ハイラックス)がタイムペナルティを科されたことにより、今年のイベントで2回目のステージ優勝を飾った。

 アル・カイシュマからサウジアラビアの首都リヤドへ向かう465kmの最長ステージは、4台がステージ優勝を争う今大会で最も競争の激しいステージとなった。

 アル-ラジは当初、このステージで14秒のリードを築いてフィニッシュ、初のステージ優勝を飾ったに見えたが、ニュートラルゾーンでのスピード違反によって2分のペナルティを科され、4つ順位を下げて、アル‐アッティーヤから1分46秒遅れの5番手タイムと降格となった。

 バーレーンレイド・エクストリームのセバスチャン・ローブ(BRXハンター)は25秒遅れの2番手タイム、アウディのカルロス・サインツ(アウディRS Q e-tron)は3番手となった。サインツは、アウディにステージ2連覇をもたらそうと努力したが、終盤に失速した。

 第4ステージで最も不運だったのは、アル‐アッティーヤのTGRチームメイトであるヘンク・ラテガン(トヨタGRダカールハイラックス)で、彼はマシントラブルでリタイアを余儀なくされた。

 ステージは、最長であるだけでなく、序盤と終盤に曲がりくねった岩場が続く高速ステージで、また、今週中東を襲った大雨で増水したワジ(川床)を何度も往復する難所もあった。

 火曜日の第3ステージでセンセーショナルな走りを見せたラテガンは、2番手出走から再びリードし、120km地点でサインツに約40秒差をつけてトップに立った。その後、ラテガンは2分30秒以上のマージンを築いたが、リヤハブを破損し、314km付近のウェイポイント手前でストップせざるを得なくなった。

 その結果、サインツが一時的にではあるがステージをリードすることになったが、アル‐ラジが猛烈な追い上げでサインツとの差を詰めてリードを奪い、さらにアル‐アッティーヤも2つのウェイポイントを残した時点でサインツを抜いて2番手へと浮上、そのままアル‐ラジがアル‐アッティーヤに14秒差をつけてフィニッシュしたが、ペナルティのために素晴らしい追い上げが無駄となってしまった。サインツは最終的にローブにも抜かれて3番手でフィニッシュした。

 このステージでトラブルに見舞われたのはラテガンだけでなく、バーレーンレイド・エクストリームのナニ・ローマ(BRXハンター)も横転を喫した。また、プライベート参戦のベネディクタス・ヴァナガス(トヨタ・ハイラックス)で、なだらかな砂丘で底をヒットし、タテ方向に転がるという恐ろしいバレルロールを喫した。バナガスとナビゲーターのフィリペ・パルメイロは無傷だった。

 アウディは、14度の王者のステファン・ペテランセル(アウディRS Q e-tron)が、ステージ序盤にショックアブソーバーの破損でストップし、アシスタンストラックの出動を余儀なくされるなど、厳しい状況が続いた。

 チームメイトのマティアス・エクストローム(アウディRS Q e-tron)もトラブルに見舞われ、ステージ開始から約70kmでリヤダンパーを破損し、フィニッシュまでゆっくり走行することを余儀なくされた。

 総合成績では、2度目のステージ優勝を飾ったアル‐アッティーヤが首位をキープ、前日のトランスミッションのトラブルで遅れたローブはこの日2番手タイムだったものの、38分5秒へとその差はわずかに広がっている。アル‐ラジはローブに近づくチャンスだったが、さらに11分差遅れの3位につけている。

 トヨタGAZOO レーシングのジニール・ドゥヴィリエ(トヨタGRダカールハイラックス)はアル‐ラジから2秒遅れで4位でフィニッシュしたものの、第1ステージでの2輪ライダーとの接触に続き、ふたたびバイクを損傷させる事故を起こしていたことから主催者は2度目の今回については5時間のペナルティを科している。

 この結果、ドゥヴィリエは38位へと後退、今年のダカールでトップ10入りは絶望的な状況となった。彼は事故の状況について次のように説明している。

「センチネル(ステージ上の危険を競技者に知らせる車間通信システム)からの警報信号は聞こえなかった。バンピーなステージでナビゲーターが車の床にあるボタンのスイッチを誤って切ってしまった可能性がある。砂丘を越えたとき、バイクが見えたので、傷つけないように避けたつもりで、着地したときにぶつかったという感じもなかった。このようなことが起こるのは非常に恥ずかしいことであり、大変申し訳ない思いだ」