WRC2021/01/09

イープル、今季WRCカレンダー入りが正式決定

(c)Ypres Rally

 イープル・ラリー・ベルギーが8月に世界ラリー選手権のラウンドとして初開催されることをWRCプロモーターが正式に発表した。

 昨年、WRC初開催が幻となったイープル・ラリー・ベルギーにとってはうれしい発表となったが、残念ながらコロナウイルスのパンデミックに関連して開催資金が不確実となったことから英国での世界ラリー選手権ラウンドが今季の開催を断念したことからその抜け落ちた穴を埋める形で実現することになった。

 WRCプロモーターのマネージングディレクターであるヨナ・シーベルは、イープルが新たにカレンダーに加わることでより楽しみな選手権になると語った。

「イープルは半世紀以上もの間、ヨーロッパ・ラリーの礎となってきた。WRCへの昇格は今シーズンの最も厳しい挑戦の一つであり、昨年は残念ながら延期になっていたチャンピオンシップがついにベルギーを訪れることになったことを喜ばしく思う」とシーベルは語った。

「イープルは狭いアスファルトレーンと大きな溝が道路に張り巡らされたトリッキーなコースで、暗闇の中でのステージもあれば、天候が混じる可能性もあり、ファンにはスリルと感動を与えてくれるだろう」

 ベルギーは35カ国目のWRC開催国となり、イープルは1965年に第1回が開催され、ヨーロッパでは屈指の難しいターマックラリーとして知られている。

 2021年のイープル・ラリー・ベルギーは、昨年計画されたイープルとスパ・フランコルシャン・サーキットという2つの舞台をつないで開催するというスタイルを踏襲することになる。FIAラリーディレクターのイヴ・マトンは、昨年幻となったイープル・ラリー・ベルギーの実現を楽しみにしていると語った。

「2021年のWRCカレンダーは、COVID19のパンデミックを背景に構築されたもので、今年は継続的な問題に直面する可能性があることは知っていた」とマトンは語った。

「昨年は残念だったが、引き続きイープル・ラリー・ベルギーにとってチャンスとなる。ベルギーのモータースポーツを象徴する2つの会場であるスパ・フランコルシャンとイープルを結ぶルートで、ラリーのDNAを披露することになる。とても楽しみにしている」

 主催者であるクラブ・スーパーステージのアラン・ペナス代表は、このラリーがWRCとして開催される準備ができていると語った。

「昨年、私たちのボランティアはWRCのイベントを急遽開催することができることを証明してくれたが、残念ながら開催は実現しなかった。しかしながら、今年8月中旬に初めてベルギーにWRCを迎えることができることを嬉しく思う」

「大まかに言えば、今年のイープル・ラリーは昨年提案したフォーマットを再び使用する。2020年のエントリーリストには140チームが登録したようにエントラントからの期待も大きいものだ」

 イープル・ラリー・ベルギーは8月の開催と発表されたものの、正式な日程については追って発表されることになる。