WRC2020/06/18

イープル、WRCキャンディデートを公式に認める

(c)Ypres Rally

 イープル・ラリー主催者は、10月1-3日に開催予定の同イベントが今季の世界ラリー選手権のキャンディデートとしてカレンダー昇格候補になっていることを公式に認めた。

 新型コロナウイルスの世界的大流行によって、今季の世界ラリー選手権はすでに5戦がキャンセルされ、次戦のラリー・トルコについても開催が危ぶまれているとの状況にあるとされている。FIAとWRCプロモーターは、今季のWRCカレンダーを守るために、ヨーロッパのメジャーイベントを急遽、WRCに昇格させることを検討しており、すでにラトビアのラリー・リエパーヤがWRCプロモーターと協議を行ったことを認めている。

 今年で56回目の開催を迎えるイープル・ラリーは、1974年から2016年まで42年連続してヨーロッパ・ラリー選手権の一戦として開催されたことがあるほどの歴史と伝統をもつ一戦であり、当初から2020年WRCカレンダーへの参加候補の最有力のイベントだと噂されてきた。例年なら6月に開催されるイープルもまた新型コロナウイルスによって10月への延期という苦渋の選択を行ったが、それによって世界選手権初開催への道につながることになった。

 イープル・ラリー主催者のクラブ・スーパーステージは火曜日の夜、これまでの沈黙を破って、イープル・ラリーがWRCのエントラントを迎える可能性があることを公式に宣言した。

「今季のWRCへの開催に関する可能性を依頼されたことは、もちろん大変光栄なことだ」と組織委員会のヤン・ウイゲは語った。

「これは毎年組織のために献身的に活動している何百人ものボランティアや会員の方々への感謝の気持ちを込めたものだ。今年もラリーを開催できるのは、彼らのおかげであり、チーム全体の功績だ。さらに、長年にわたり、イープル・ラリーはその組織の質、経験、安全性の高さでヨーロッパ中から高い評価を受けてきた。FIAからの依頼を光栄に思い、その瞬間からクラブ・スーパーステージは新たなルートを決定し、イープル市や連盟、その他の当局に連絡を取るなど、ギアを上げて加速してきた」

「この計画については、当局や、ラリーを遺伝子に持つイープル市、そしてパートナー企業からも好評であり、ベルギーのモータースポーツのアイコンであるイープルとスパ・フランコルシャンの2つのアイコンを組み合わせたベルギーのイベントを展開していきたいと思っている。しかし、はっきりさせておきたいのは、まだ何も決まっていないということだ」

 クラブ・スーパーステージによれば、現在、FIAやWRCプロモーターと交渉中で、今季の開催がどうなるのか近日中に決定するという。