WORLDWIDE2019/07/01

イープルでブリーンが優勝、VWポロが1-2-3

(c)Ypres Rally

(c)Ypres Rally

 先週末にベルギーで開催されたイープル・ラリーは、元プジョー・ラリーアカデミーでチームメイト同士だったクレイグ・ブリーンとケヴィン・アッブリングの2台のフォルクスワーゲン・ポロGTI R5による優勝争いとなった。

 直線とコーナーを組みあせたような特徴のあるイープルのコースは、ほとんどのコーナーがインカットによって汚れ、さまざまなアクシデントやパンクを引き起こすことでも有名だ。今回は雨も降らずドライコンディションとなったものの、多くの罠がドライバーたちを待ち受けることになった。

 最初の3ステージをリードしたのはアッブリングだったが、彼はSS4で小さなミスでタイムをロスして2位へと後退、ブリーンがラリーをリードすることになった。

 それでもアッブリングはコンマ秒差で続き、二人による接戦を続いていたが、SS6でアッブリングがパンクのために20秒の遅れを喫してしまい、ラリーの主導権を握ったブリーンがリードを45.7秒に広げて首位でゴールを迎えることになった。

「すべてがうまくいった、ポロは本当に運転が簡単で、ビデオゲームのようなものだった」とブリーンは語った。

「火曜日にヒュンダイ・モータースポーツからフィンランドへ出場することが発表された後だけに、ここでの勝利がいい弾みになるよ。来週の土曜日にはi20 WRCでフィンランドで最初のテストをするつもり計画だ。今のところうまくいってるよ」

 ブリーンは最終日、リフューエルエリアで係員のミスから実際より少ない給油量のため、彼はガス欠の不安と戦い、その後、レースマネージメントはブリーンに規定以外のゾーンでの燃料補給を許すことになったことから失格の可能性も囁かれたが、優勝が確定している。

 ベルギー・チャンピオンのクリス・プリンセンは、フロントのバイブレーションに悩まされて3位、11回のイープル優勝記録をもつフレディ・ロイクスは4年ぶりに復帰したものの4位でフィニッシュ、惜しくも表彰台には届かなかった。

 ポロGTI R5は3月のツール・ド・コルス以降、燃料システムの問題から火災に悩まされてきたが、フォルクスワーゲンの無償アップデートによる対策の結果、40度を超える暑さのなかで開催されたラリーでもまったく問題が発生することなく、イープルでは表彰台を独占するとともにトップ5のうち4台をポロが占める結果となった。

 また、イープル・ラリーではエリック・カミリーが最新式のフォード・フィエスタR5エボをゼロカーとして走らせてデモンストレーションを行なうなど話題も盛りだくさんだったが、とくに今年から新設された新旧WRカーの参戦を可能とする「イープル・ラリー・マスターズ」が注目されることになった。ヒュンダイi20クーペWRCを駆った地元のティエリー・ヌービルが勝利した。最新のフォード・フィエスタWRCを駆ったブライアン・ブフィエは2位につけていたが、メカニカルトラブルのため2日目の朝にリタイアとなっている。

 イープルではベルギー選手権とともに英国選手権も併催され、参戦している5台のマシンの間で激しい接戦があった。短い初日の間に5台のうち4台が選手権ドライバーの中でトップに立つなど、順位は激しく入れ替わったが、最終的に英国チャンピオンのマット・エドワーズ(フォード・フィエスタR5)が抜け出し、英選手権優勝を飾るとともに総合6位でフィニッシュした。ヒュンダイドライバーのトム・ケイブが7位に続いた。リース・イェーツ(シュコダ・ファビアR5)とマルティン・マコーマック(シュコダ・ファビアR5)はどちらもクラッシュした。