WRC2020/10/23

イープル危険信号? サウス・ベルギー・ラリー中止

(c)Hyundai

 ヒュンダイ・モータースポーツは次戦のイープル・ラリー・ベルギーの準備として今週土曜日に予定されていたサウス・ベルギー・ラリーに出場する計画だったが、ベルギー国内の新型コロナウイルス感染第2波によって木曜日の朝にイベントのキャンセルが決定されている。

 24日にフランス国境に近い南ベルギーのヴレス・シュル・スモワで行われる予定だったサウス・ベルギー・ラリーに、ヒュンダイはクレイグ・ブリーンとオイット・タナクの二人を出場させる計画だった。また、イープル・ラリーでは11回の優勝経験をもつフレディ・ロイクスがイープル未経験のタナクのためにセーフティクルーを務めることから、サウス・ベルギー・ラリーでは本番のウォームアップとして二人の協力関係が始まる予定だった。

 しかし、木曜日の朝に行われたサウス・ベルギー・ラリー主催者であるDGスポルトと開催地のヴレス・シュル・スモワ市長による話し合いの結果、この週末のイベントのキャンセルを決めることになった。

 ヒュンダイはこの決定を受けて、イープル・ラリーの準備のために参戦するイベントを25日にウェストフランダース地方のケーケラーレで行われるヘミキューダ・ラリーに変更する方針で動き始めている。

 ヘミキューダ・ラリーは、イープル・ラリーの舞台からは30kmあまりと非常に近い地域で行われるため、田園地帯の農道を舞台にしたステージの特徴がイープルときわめて似ていると考えられており、すでにトヨタGAZOOレーシングWRTからエルフィン・エヴァンスとセバスチャン・オジエの二人が出場することが明らかとなっている。

 しかし、ベルギーの新型コロナウイルス感染者の状況は関係者にとって大きな懸念材料となっており、ヘミキューダ・ラリーだけでなく、イープル・ラリーの開催そのものも疑問視される状況となっている。

 ベルギーのアレクサンダー・デ・クロウ首相は先週、感染拡大を封じ込めるために、国内のすべての飲食店を4週間、営業停止にすることを発表、スポーツや文化事業のイベントの開催に関する新しいルールとプロトコルについても今週の金曜日に明らかにする計画となっており、この発表がイープル開催にとって重要な決定になりそうだ。

 ベルギーの保健大臣フランク・ヴァンデンブルークは、当局はもはやパンデミックの広がりをコントロールできていないと述べ、ベルギーは感染の「津波」に直面していると付け加えている。