WRC2019/11/28

ウィルソン、エヴァンスにお別れのメッセージ

(c)M-Sport

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 Mスポーツ・フォードは、新天地トヨタGAZOOレーシングWRTへの移籍が決まったエルフィン・エヴァンスにお別れのメッセージを発表した。

 エヴァンスがキャリア初期から才能の片鱗をみせたのは2WDのフォード・フィエスタを駆っていたときだった。彼はまだ10代のときに英国とアイルランドのフィエスタ・スポーツトロフィーやさまざまな選手権に参戦して勝利を飾り、2012年にWRCアカデミーで世界を舞台にした戦いを開始することになった。

 エヴァンスは、フォード・フィエスタR2を駆ってWRCアカデミーで4連勝してタイトルを獲得、その翌年には新たに登場したフィエスタR5へとステップアップして挑戦を開始、ラリーGBでWRC2初優勝を飾り、2014年にフィエスタRS WRCのシートを獲得、2015年にはアルゼンチンで初表彰台を達成している。

 2016年にはWRCのトップカテゴリーから離れることになったが、2017年には見事に復帰して母国ウェールズで感動のWRC初勝利を飾るとともに、Mスポーツ・ワールドラリーチームのマニュファクチャラーズタイトル獲得にも貢献している。

 エヴァンスは優勝1回を含み、これまでの9回のポディウムをすべてMスポーツで達成、まさしくフィエスタとともにここまでの成功を歩んできた。

 Mスポーツでマネージング・ディレクターを務めるマルコム・ウイルソンは、2020年に新しい挑戦を開始するエヴァンスにむけてチーム全体が幸運を祈っていると語った。

「この10年、私はエルフィンが世界クラスのドライバーに成長するのを見つめ続けてきた。そして、それはすべてフォード・フィエスタのラリーカーで育まれたものだ」とウィルソンは語った。

「彼は、若いドライバーがフォードのラリーカーによる『チャンスの階段』を歩んでいかにして進歩していけるかを示す完璧な例だ。もちろん我々は彼の将来の幸運を祈っているよ」

「2020年も彼との戦いを続けたかったが、残念ながら不可能となった。とはいえ、我々がともに成し遂げたこと、Mスポーツが彼の成長に果たした役割をいまだに心の底から誇りに思っている」

「エルフィンはこのスポーツの最高レベルにおけるキープレイヤーに育ったが、彼はこれからもMスポーツ・ファミリーの一員であることは言うまでもない」

 チーム代表のリチャード・ミルナーは、エヴァンスが10代のときからフィエスタ・スポーツ・トロフィーでともに戦ってきた。ミルナーは、昔からの友人が世界最高のドライバーの1人に成長するのを見守るのは素晴らしい経験だったと語った。

「エルフィンとは長いつきあいだ。彼の成長とステップアップをずっと一緒に取り組んできたからね」とミルナーは語った。

「彼がフィエスタ・スポーツ・トロフィーに参戦を始めた時、僕もトロフィーを走っていた。彼が世界のトップドライバーのひとりに成長していくのを見ていくことは素晴らしい気持ちだった。キャリアのいくつもの浮き沈みを共有しながらね」

「マルコムはエルフィンのキャリアに多大な貢献をして、彼はドライバーとしてここまで至った。彼がひっぱりだこになったのは驚くことではなく、来年も、彼をチームに残したかったことは秘密ではない。しかし、それが難しいことも分かっていたし、それが不可能になっても、彼のここでの成長を我々は本当に誇りに思っている。そして、これからの活躍を期待している」