WRC2020/05/20

エストニアでフィンランド前に新たな競技開催へ

(c)Toyota

 エストニアのASN、エストニア・オートスポーツ連盟は、8月に新型コロナウイルスの流行によって中断している世界ラリー選手権がラリー・フィンランドで再開される前にエストニアにおいてテストラリーを開催する。

 エストニアではこれまでラリー・フィンランドの前にラリー・エストニアが開催され、昨年にはWRCプロモーションイベントを成功させてきた。しかし、注意しなければならないのは、今回、エストニア・オートスポーツ連盟が直接開催について発表したことであり、今のところこのイベントのワーキンググループにラリー・エストニアの主催チームが関わっているかどうかははっきりしていない。

 先週の木曜日、バルト諸国(リトアニア、ラトビア、エストニア)は国境の制限を解除しており、エストニアにおけるイベント開催の最大の条件となる国境の完全な開放に少しずつ近づいている。エストニア・オートスポーツ連盟が19日に発表した声明によれば、新型コロナウイルスの流行によってこれまで数ヶ月にわたってストップしてきたラリーシーズンを再開すべく、政府が要求するすべての制限を遵守し、可能な限り安全な方法で新しいスタイルのイベントを開催するという。

「エストニア・オートスポーツ連盟は、伝統のあるオテパーのステージにおいて新しいフォーマットで高いレベルのラリーイベントを開催するつもりだ。競技を実行するための前提条件は、適用されるすべての制限の遵守と、エストニア国境が十分に開放されることだ」

「今年、計画されたモータースポーツイベントの多くは開催されなかった。エストニア・オートスポーツ連盟は、困難な状況のなかでできるだけ早くモータースポーツを開催する機会を探してきた」

 エストニアのイベントは、ラリー・フィンランドの2週間前にあたる7月24-25日を第一希望に計画されており、さらにフィンランドが延期になった場合には8月7-8日への変更をオプションとして考慮されており、これまで同様にエストニアの高速ステージでラリー・フィンランドのための準備を行うことが出来るようになるはずだ。

「今日のエストニアの人々にとってのモータースポーツの重要性は言うまでもないほど大きい。これはオイット・タナクとマルティン・ヤルヴェオヤが、ワールドラリーチャンピオンに輝いたことで、メディアの注目がいっそう高まっていることからもはっきりしている」

「我々の目標はウイルスのパンデミックを防ぎ、開催には健康上の要件と経済的機会の両方の状況の変化に対応しなければならない。国際モータースポーツカレンダーの進展を綿密に追跡して、世界最高のラリードライバーが参加できるようにラリーの日付を確認している」

 現地のメディアは、このオテパーで行われる新しいイベントは、そもそもはタナクとビジネスパートナーであるマルコ・マルティン、さらに彼らの長年のスポンサーであるGROSS社を経営する、エストニア・オートスポーツ連盟理事のオレグ・グロスが連名でラリー開催の申請を行ったものだと伝えている。このラリーは2月にキャンセルが決まったラリー・エストニアの代わりとして開催を目指したものだったが、エストニア文化省は政府補助金の申請を却下している。エストニア・オートスポーツ連盟は今回の声明で今回のイベントについて「新しいフォーマットの競技」と説明しているように、エキシビションのようなスタイルになるかもしれないと考えられている。