RallyCross2020/04/21

エディエルソンがトップゲーマーを下す

(c)FIAWorldRallyCross.com

 世界ラリークロスEスポーツ・インビテーショナルのオープニングラウンドが先週末に行われ、マティウス・エディエルソンがプロのシムレーサーたちを押さえて劇的な優勝を飾った。

 DiRT Rally 2.0で行われる初のイベントとなった今大会は、2020年の世界RX選手権の開幕戦として予定されながら、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)によって延期されたスペイン・ラウンドが行われるはずだったバルセロナ-カタルニア・サーキットを舞台に争われた。

 世界ラリークロス選手権のレギュラーメンバーである昨年のチャンピオンであるティミー・ハンセン、弟のケヴィン・ハンセン、アンドレアス・バックルド、さらには2度のチャンピオン経験をほこるヨハン・クリストファーソンのほか、ラリー界からは昨年のERC1ジュニア選手権で3位となったスウェーデンのマティアス・エディエルソンやeスポーツWRCの王者であるジョン・アームストロングが招待されている。

 また、8500人あまりの参加があった予選を勝ち上がってきたEスポーツのトッププレイヤー3人が出場した。DiRT Rally 2.0ラリークロスのシリーズチャンピオンであるキリアン・ダロルモ、その兄弟であるカンタン・ダロルモ、チェコから出場したルーカス・マテヤーだ。

 世界ラリークロス選手権と同様、4レースの予選を戦い、セミファイナル、そしてファイナルを走る形式で争われたEスポーツ・インビテーショナルの初戦は、カンタン・ダロルモがQ1とQ4を制した予選トップ、Q2を制したキリアン・ダロルモが予選3番手につけるなど、予想どおりにシムレーサーたちが速さをみせることになった。

 ファイナルは、兄弟対決のセミファイナルを制したキリアン・ダロルモが好スタートをみせたが、1コーナーでワイドになってしまい、後続のマシンに弾き出されて最後尾まで転落してしまう。これで首位に立ったのはエディエルソンだ。

 優勝候補の一人と噂されたアームストロングとの激しいバトルを制してセミファイナルを勝ち抜けてきたエディエルソンは、ファイナルの1コーナーでトップに立って以降一度も首位を譲ることなく6ラップを走りきり、後方から猛然と追い上げてきたキリアン・ダロルモの追撃を振り切って首位でゴールをすることになった。

「勝つことができて非常に興奮しているよ。僕はジョン・アームストロングと一緒に多くの練習をしてきたが、レース全体を勝つことは格別なことだよ。このようなイベントを開催することは素晴らしいことであり、非常に多くのWorld RXドライバーたちを相手にできたのはとてもクールだったよ」とエディエルソンは語っている。

 最終ラップでダロルモに抜かれたシムレーサーのマテヤーが3位でフィニッシュしている。

 また、ファイナルに進出した世界RXドライバーは、ティミー・ハンセンとGCコンペティションのケヴィン・アッブリングだけだったが、二人は3ラップ目のシケインでからんでしまい、アッブリングが4位、ハンセンが5位でフィニッシュしている。

 なお、クリストファーソンは機材の故障からレースをスタートできなかったとレポートされている。