WRC2017/10/26

エヴァンス、母国戦シェイクダウンで驚愕一番時計

(c)DMACK

 世界ラリー選手権第12戦ウェールズ・ラリーGBのシェイクダウンが行われ、地元ウェールズ出身のエルフィン・エヴァンス(フォード・フィエスタWRC)が1分58.1秒のトップタイムを叩き出した。昨年のシェイクダウンはDMACKタイヤのオット・タナクが制しており、DMACKタイヤは2年連続で彼らのホームラウンドのシェイクダウンを制すことになり、しかも、今年はライバルたちに2.3秒以上の差をつける圧巻の速さをみせつけた。

 ラリーGBのシェイクダウンは木曜日の朝、昨年と同様に3.32kmのクロケノグ・フォレストのステージでスタートした。ウェールズ地方は先週末から不安定な天気が続いており、シェイクダウンのステージは雨こそ降ってないもののやや湿ったグラベルが路面を覆うコンディションとなった。

 シェイクダウンの1回目の走行でトップタイムを奪って早くもその速さをみせつけたのはDMACKタイヤを装着するエヴァンス。2番手にはタナク(フォード・フィエスタWRC)が0.6秒差で続き、マニュファクチャラー選手権に王手を掛けているMスポーツ勢が1-2態勢で発進することになった。

 エヴァンスは2回目の走行でただ一人2分を切るペースで快走を続けるも、ヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC)を除いたライバルたちのほとんどは彼の1回目の走行タイムさえ上回ることができない状況だ。

 エヴァンスは3回目の走行で自身のそれまでのタイムを1.5秒上回る1分58.1秒のベストタイムを記録、3回目の走行でタイムを延ばしたダニエル・ソルド(ヒュンダイi20クーペWRC)が2番手に飛び込んだものの、エヴァンスからは2.3秒もの遅れとなった。

 エヴァンスはやや湿ったコンディションがDMACKにとってよかったと感じているものの、この結果は週末を通した速さを保証するものではないと強調している。

「ラリーは長く、厳しいのはこれからだ。シェイクダウンのような状況が続けばタイヤはうまく機能するだろうが、天気がドライになればミシュラン勢にとって有利になっていくだろう。シェイクダウンは明日以降、どれくらいのグリップがあるのかを完全に代表しているわけではないし、まだ何がおきるかわからない」とエヴァンスは語っている。

 多くのドライバーが路面が荒れた4回目の走行でタイムが上がらないなかでタナクが3番手タイムで続き、ラトバラはタナクから0.1秒差の4番手でシェイクダウンを終えることになった。

 5番手から7番手まではヒュンダイi20クーペWRC勢が占め、5番手にはティエリー・ヌーヴィル、6番手にはヘイデン・パッドン、7番手にはアンドレアス・ミケルセンとともにセバスチャン・オジエ(フォード・フィエスタWRC)がつづいている。2番手タイムのタナクからオジエまではわずか1.1秒差という僅差にもかかわらず、エヴァンスだけが頭一つ抜け出した速さを示すことになった。

 マッズ・オストベルグ(フォード・フィエスタWRC)は2回の走行のあと、マシンに違和感を感じてサービスへと戻ったため11番手に終わり、1回目の走行でスピンしたエサペッカ・ラッピ(トヨタ・ヤリスWRC)もペースに苦しみ13番手となっている。

■ラリーGBシェイクダウン
1: E.エヴァンス 1m58.1s
2: D.ソルド 2m00.4s
3: O.タナク 2m00.5s
4: J-M.ラトバラ 2m00.6s
5: T.ヌーヴィル 2m00.8s
6: H.パッドン 2m00.9s
7: A.ミケルセン 2m01.5s
- : S.オジエ 2m01.5s
9: J.ハンニネン 2m01.6s
- : C.ブリーン 2m01.6s
11: M.オストベルグ 2m02.3s
12: K.ミーク 2m02.8s
13: E.ラッピ 2m03.2s