WRC2019/11/08

オジエ、「タナクは何度でも王者になれる」

(c)RedBull Content Pool

 シトロエン・レーシングのセバスチャン・オジエは、7年連続のワールドチャンピオンを逃したとはいえ、今季もそう悪いシーズンではなかったとふり返った。

 オジエは、今季シトロエンに移籍したあと開幕戦で勝利を飾ったものの、タフなシーズンが続き、オイット・タナクの独走に歯止めを掛けることができなかった。

 オジエは、今年がシトロエンにとってかなり厳しい戦いになったことも認めつつも、今シーズンは決して悪くないシーズンだったと満足そうにふりかえった。

「僕たちはいつもやっているように本当に懸命に取り組んできた。僕の信条はすべての戦いにおいて自分のベストを尽すことであり、そしていつもと同様に、僕は今シーズンも全力を尽くしてきたし、もちろんチームも最善を尽している。でもこれはスポーツであるわけで、最終的に勝者は一人だけに絞られる。昨年同様、今年も僕たちは厳しい戦いに直面することになった、ただ残念ながら僕たちはドライバーズ・タイトルをとどめておくことはできなかった。それでも決して悪いシーズンではなかったよ、多くのポディウム、そして勝利を手にすることもできたからね」

 オジエは、今年、タイトルの防衛を妨げた要因として、得意だったターマックでクルマになかなか適応できていなかったことを挙げている。

「当然僕たちにとっては驚きだったよ、ターマックは以前は自分たちにとっての強みだったし、クルマはもともとターナックではとても速かったからね。ほとんどのラリーはグラベルで行なわれているということも頭に入れておかなくてはならないが、選手権を勝ち取るためには双方のサーフェイスで良い走りができることが求められる。でも僕たちはターマックでのバランスに大きな問題を抱えていた」

 オジエは、今の時点で誰がWRCのベストドライバーだと思うかという問いに対して、真っ先にタナクの名前を挙げた。

「もちろん、それならまずタナクを挙げなければならない、彼は世界王者だからね」とオジエは語った。

「たしかに僕にとっては最初の選手権タイトルを追いかけている時はもっと絶対に勝利するという激しい衝動を感じていたはずだった。でも負けることが嫌いな人間として、僕はこの激しさをこれからも維持していきたい。ラリーはワインのようなもの、経験と時間によって、落ち着きを保ちながら、さらに多くのタイトルを勝ち取る可能性が増す。タナクもそうだと思う」

 オジエは来季、トヨタへの移籍も噂されるが、いまのところ2021年以降はこのスポーツから引退すると言われている。彼は激しいシーズンが終わったいま、少しこの激しさから離れたいと感じているようだ。

「それは常に僕のプランとしてある。すでにこの仕事についてからかなりの期間を費やしている。今度は何かまた違ったものに挑戦したいという気持ちと、WRCの激しさから少し離れて落ち着きたいというのもある」