WRC2021/07/23

オジエ、初優勝はキャリアにとって重要なステップ

(c)Toyota

 トヨタGAZOOレーシングWRTのセバスチャン・オジエは、ラリー・エストニアで史上最年少の20歳で優勝を飾ったカッレ・ロヴァンペラを讃えるとともに、この一度しか経験できない初勝利を十分に味わってほしいと次世代のスターにメッセージを送った。

 オジエはエストニアを一番手のポジションでスタートし、ダスティな路面で苦しみながらも着実に4位でフィニッシュするにとどまったが、わずかに選手権でのリードを広げてエストニアを後にすることができたことに満足しているとふり返っている。

 これまでに通算で53勝を飾っているオジエは、ロヴァンペラにとってもこの勝利がキャリアにおけるほんの第一歩にすぎないが、それが偉大な一歩だと考えているようだ。

「ラリー・エストニアの週末全体を通して完璧な走りを見せたカッレのWRC初優勝には、大きな拍手を送りたい。彼の年齢と可能性を考えれば、これからも他のラリーでいくつもの優勝をすると思うが、まずは今回の優勝を味わってほしい。なぜなら、初優勝はキャリアにとって重要なステップであり、一度しか経験できない瞬間だからだ」とオジエは語った。

 オジエは、土曜日のわだちだらけの路面コンディションを見たときに、即座に、エストニアの表彰台を狙うプランを諦め、堅実なペースを刻んで選手権2位のエルフィン・エヴァンスより前でフィニッシュする計画に変更したと語った。

「エストニアの金曜日は暑くて路面は乾燥していてダスティな道を走らなければならなかったので、一番手でスタートした僕らのチャレンジはさらに難しくなったが、いい走りができて(表彰台圏内まで6秒差の)4番手というポジションに付けることができた」

「これで、残りのラリーで表彰台を目指して戦うチャンスができたと僕らは考えたが、土曜日の新しいステージのコンディションは予想以上に悪く、路面が非常に柔らかい部分にはたくさんの轍ができていた。このような状況では攻める気持ちを脇においておき、チャンピオンシップに集中すべきだと僕らは考えたんだ」

 オジエはエヴァンスより一つ前の4位でフィニッシュするとともにパワーステージでもエヴァンスを抑えて3番手タイムをマーク、エストニアを終えてドライバー選手権では148ポイントへとポイントを伸ばして、選手権2位のエヴァンスとの差を34ポイントから37ポイントへと拡大している。

「一番の目的は、一番のライバルであるエルフィンを後方に置いてゴールすることで、それはなんとかやり遂げることができた。もちろん、4位になったからといって喜んでいるわけではないが、シーズン全体を考えれば、これらのポイントはチャンピオンシップにとって非常に重要なものだ。わずかにリードを広げてエストニアを後にすることができたので、目的はやはり達成されたと言える」