WRC2020/08/26

オジエがギリシャで墜落事故とのニュースは誤報

(c)facebook/Mayor of Glyfada

 セバスチャン・オジエが乗ったヘリコプターがギリシャで墜落したという衝撃的なニュースが火曜日の朝から世界を駆け巡ったが、実際には離陸直後に技術的な問題があったため安全のために飛行を中止したという低レベルの緊急着陸だったことが明らかとなった。

 トヨタGAZOOレーシングWRTは、来月開催されるラリー・トルコに向けて火曜日からギリシャでテストを行う予定であり、ヘリコプターは月曜日の夜、アテネの空港からチームのテスト会場であるイテアまでクルーたちを運ぶところだった。オジエ、彼のテストのときのコドライバーであるバンジャミン・ヴェイヤ、エルフィン・エヴァンスのコドライバーであるスコット・マーティンを乗せたヘリコプターの1機が離陸した直後、数メートルほど浮上したところで問題が発見されたため、パイロットはすぐに近くのゴルフ場に着陸したという。

 当初は深刻なアクシデントが起きたとの報道もあったが、その後、ギリシャではグリファダ市長が撮影した外観に何の損傷もないヘリコプターの写真が公開され、誤報の多くがいまは削除されることになった。マーティンはみんな元気だと明言、たいしたことがない話が大きく歪んで拡散したと語っている。

「僕らみんなが何事もなく元気だよ。僕らが離陸したとき、パイロットが問題を発見してすぐに着陸した。本当にそれだけのことだ。このような話が伝言ゲームで肥大化するのは驚くべきことだ。でも、本当にそれだけの話なんだ」とマーティンはラリーメディアのDirtFishに対して語っている。

「ありがたいことに、パイロットが問題を発見する前に上昇することはなかったが、僕らには全く問題はなかったよ」

 ヘリコプターの故障によってオジエたちは陸路でラミアへと移動、予定どおりに火曜日からテストを開始している。

 マーティンは日曜日に行われた南エストニア・ラリーでのエルフィン・エヴァンスとの大クラッシュのあとチームのほかのクルーとともに飛行機でギリシャ入りするという慌ただしい時間を過ごしたが、エヴァンスとの走行テストは水曜日に行われるため、火曜日はのんびりと過ごしているようだ。

「今日はビーチで一日を過ごしたよ。ここにはラリーカーもヘリコプターも何もない」とマーティンは語った。

「南エストニアで(のクラッシュ)はベルトの位置が少し痛かったけど、それだけだよ。草の中に埋もれているものにぶつかったときは、予想もしていなかったのでショックだった。クルマが大きくスライドし始めた時に、何かが大きな衝撃が来るかもしれないと少し覚悟していたが、クルマの中で爆弾が爆発するような音がしただけだった」