WRC2019/08/22

オジエがタナクを破ってシェイクダウン一番時計

(c)Citroen

(c)Toyota

 2019年世界ラリー選手権第10戦ラリー・ドイッチュランドのシェイクダウンが22日木曜日に行われ、シトロエン・レーシングのセバスチャン・オジエ(シトロエンC3 WRC)が2分39.7秒のトップタイムをマーク、トヨタGAZOOレーシング・ワールドラリーチームのオイット・タナク(トヨタ・ヤリスWRC)が0.1秒差の2番手タイムで続き、3年連続のドイツ勝利にむけて速さをアピールした。

 ラリー・ドイッチュランドのシェイクダウンは、昨年と同様にザンクト・ヴェンデラー・ランドの5.20kmで行われた。ザンクト・ヴェンデラー・ランドは、ザールランドの郊外に広がるオープンで高速なステージであり、スピード抑制とインカットを防止のためにヘイベイルがいくつか配置されている。

 青空が広がる朝を迎えたボスタールジー、シェイクダウンの1回目の走行から速さをみせたのは、2年連続でラリー・ドイッチュランドに勝利を飾っているタナクだった。タナクはいきなりライバルを1秒以上引き離して2分41.6秒のトップタイム、ダニエル・ソルドとティエリー・ヌーヴィルの2台のヒュンダイi20クーペWRCがこれに続いて始まることになった。

 タナクは2回目の走行でも自身のタイムを0.7秒更新する速さをみせたものの、これを上回るペースをみせたのはドイツから新しいエンジンにアップデートされたC3を駆るオジエだった。

 オジエはタナクを0.1秒差ながら抜く、この時点での暫定トップタイムを叩き出すも、すぐに3回目の走行でタナクがこの記録を塗り替える2分39.8秒のタイムを奪ってシェイクダウンを切り上げたが、オジエは4回目の走行でライバルのタイムを0.1秒上回る一番時計を叩き出すことになった。

 また、タナクから0.2秒遅れた3番手タイムにはヌーヴィルとともにエサペッカ・ラッピ(シトロエンC3 WRC)が並び、さらに0.7秒差でソルドが5番手タイムで続いている。

 クリス・ミーク(トヨタ・ヤリスWRC)が6番手、1回目の走行で野原にコースオフしてひやりとさせたアンドレアス・ミケルセン(ヒュンダイi20 クーペ WRC)は5回目の走行でヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC)を0.1秒上回る7番手タイムでシェイクダウンを終えている。ここまでの上位8人はわずか1.6秒差にひしめく大混戦となっている。

 また、トヨタ・ヤリスWRCでの初めての世界ラリー選手権トップカテゴリーに臨んだ勝田貴元は、これがヤリスでのターマックテストともいえるぶっつけ本番の試練のデビューとなったが、少しずつペースをアップして2分45.7秒の11番手タイムで続いている。

「このマシンでの初めてのラリーにかなり興奮しているよ。このマシンでの初めてのターマックイベントはテストなしのシェイクダウンの走行なのでかなり驚いている。でも、なんとか改善していくつもりだよ」と勝田は語っている。

 WRC2プロではシュコダ・モータースポーツのカッレ・ロヴァンペラ(シュコダ・ファビア R5エボ)がチームメイトのヤン・コペツキ(シュコダ・ファビア R5エボ)を1秒引き離す2分49.2秒のトップタイムをマークしている。

 ラリー・ドイッチュランドはこのあと、ボスタールジーのサービスでのスタートセレモニーが行われたあと、19時8分(日本時間2時8分)から、シェイクダウンと同じザンクト・ヴェンデラー・ランドでオープニング・ステージが行われて4日間にわたる戦いが開幕することになっている。

■シェイクダウンタイム
1. S.オジエ 2分39.7秒
2. O.タナク2分39.8秒
3. T.ヌーヴィル 2分40.0秒
3. E.ラッピ 2分40.0秒
5. D.ソルド 2分40.7秒
6. K.ミーク 2分40.9秒
7. A.ミケルセン2分41.2秒
8. J-M.ラトバラ 2分41.3秒
9. T.スニネン 2分41.4秒
10. G.グリーンスミス 2分43.2秒
11. 勝田貴元  2分45.7秒