WRC2020/05/20

オジエは若手が目指すべきベンチマーク的な存在

(c)Toyota

 セバスチャン・オジエの元チームボス、Mスポーツ・フォードのリチャード・ミルナーは、6度の世界王者の彼がこのスポーツに参戦する若手ドライバーたちにとってのベンチマークであり続けると語った。

 オイット・タナクが昨シーズン、オジエが世界ラリー選手権の頂点に君臨し続けることに終止符を打つことにはなったが、2017年と2018年にMスポーツ・フォードでオジエがドライバーズタイトルを獲得するのを見守ってきたミルナーは、やはりオジエが手本となるべく存在であることを確信している。

「これから上を目指すドライバーたちは皆、彼があの2年間にどのような方法で自分に向き合い取り組んできたのかをしっかり学ぶべきだと私は思う、なぜならあの時は選手権を獲ることが非常に困難な状況だったからね。そしてその取り組み方に従っていくことでドライバーとして非常にいい仕事ができるようになるはずだ」とミルナーは語った。

 オジエは2017年、最終戦の1つ前となるラリーGBでタイトルを確定、1981年のアリ・ヴァタネン以来、フォードを駆ってタイトル獲得した最初のドライバーとなっている。2018年は最終戦までもつれ込む大接戦となり、ティエリー・ヌーヴィルとタナクとのバトルの末、6度目のタイトルを手にすることとなった。

 Mスポーツで2度目の王座を獲得した後チームを去ったオジエは、2019年シトロエン・レーシングで結果的に不本意なシーズンを送って7度目のタイトルはならなかったが、、2020年からトヨタGAZOOレーシングWRTに移籍し、これまでの3戦を終了した時点でポイントランキングのトップに立っている。

「セブはやることすべてにおいて常に一貫性を極めており、その振る舞いにしてもやり方すべてが非常にプロフェッショナルなものだった」とミルナーは語っている。

「最終的に彼には速さが備わっており、他がどんな作戦や心理戦を仕掛けてきてもそれに対処することができていた。彼はメンタル面で極めて強い個性を持っており、ジュリアン(・イングラッシア=コドライバー)も100パーセント徹底していた。セブとジュリアンとは本当に素晴らしい2年を共に過ごすことができたよ。彼らのことこそ絶対に忘れることはないだろう」