WRC2017/10/24

オジエ+VWポロ、ラリー・レジェンドで復活ラン

(c)VW

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 Mスポーツ・ワールドラリーチームのセバスチャン・オジエは、先週末にサンマリノで開催されたヒストリックイベントの祭典ラリー・レジェンドで、かつての愛機だったフォルクスワーゲン・ポロR WRCを駆って7万人のファンたちの前を走行した。

 2007年にヘリコプター事故で亡くなったコリン・マクレーの10周忌イベントとして開催された今回のラリー・レジェンドでは、お馴染みとなったヒストリックカーや現役マシンなどによって2日間にわたって争われるラリーが開催されたほか、マクレーのチームメイトでもあったカルロス・サインツのコドライバーだったルイス・モヤが企画したマクレー・トリビュートの追悼パレードが日曜日の午後行われており、彼の求めで集まったかつてマクレーと因縁のあるドライバーやコドライバーや、錚々たる顔ぶれのチャンピオンドライバーとチャンピオンマシンが集結することになった。

 追悼パレードを走ったドライバーのなかには、4年連続のワールドチャンピオンであるオジエも含まれるが、なんと彼は昨年まで契約していたVWのポロで登場することになった。彼が所属するMスポーツ代表のマルコム・ウィルソンは、イベントアンバサダーを務めたモヤの申し出に対して「マクレーのためなら、何の問題もない」と即答したことで、このサプライズが実現することになった。

 マクレーの追悼パレードに参加したチャンピオンとマシンは次の通りだ。マクレーの弟であるアリスターが、マクレーの長年のコドライバーであったデレク・リンガーとともに1995年にマクレーがワールドチャンピオンを獲得したスバル・インプレッサ555を駆ってこの豪華なパレードを先導している。

セバスチャン・オジエ(フォルクスワーゲン・ポロR WRC)
セバスチャン・ローブ(シトロエンC4 WRC)
スティグ・ブロンクビスト(アウディ・クワトロS1)
ミキ・ビアシオン(ランチア・デルタ・インテグラーレ)
ユハ・カンクネン(ランチア・デルタ・インテグラーレ16V)
マーカス・グロンホルム(プジョー206 WRC)
アリ・バタネン(フォード・エスコートRS1800)
ティモ・サロネン(プジョー205 T16)
ディディエ・オリオール(トヨタ・セリカGT-FOUR)
ペター・ソルベルグ(スバル・インプレッサWRC)

 およそ7万人という大勢のファンが見守った短い時間のパレードのあとでオジエは語っている。

「コリン・マクレーを知る世代に生まれなかったのは残念だよ」とオジエ。

「コリンは僕にとっての憧れだったし、僕がラリードライバーになるための本当のインスピレーションを与えてくれたドライバーだ。僕がここに招かれたのは本当に名誉だよ。これほどの数のヒーローたちとチャンピオンを獲得したマシンが一堂に会するのを見たのは初めてだよ! そして、個人的には今日はひさしぶりに世界選手権でタイトルを獲得したポロのシートに戻ることができたこともうれしかったね」

 また、コリン・マクレーが使用したマシンのパレードも行われており、父のジミーがフォード・シエラ・コスワース、弟のアリスターがスバル・レガシィRS、愛弟子だったクリス・ミークがマクレーが最後にWRCにフル参戦した2003年に走らせたシトロエン・クサラWRCをドライブした。

 イベントにはチャンピオン・コドライバーであるロバート・レイド(リチャード・バーンズのコドライバー)、ハンス・トーセリウス(ビョルン・ワルデガルドのコドライバー)、マクレーのWRCにおける最後のコドライバーだったニッキー・グリストも参加したほか、現役のティエリー・ヌーヴィルもHMIヒュンダイ・イタリアのi20 WRCを駆って登場した。

 ヌーヴィルは、主催者に観戦のチケットをもらえるか問い合わせたところ、クルマを用意したら走ってもらえるかどうか聞かれ、彼もまた「もちろんイエスだ」と答えたのだという。