シトロエン・トタルのマッズ・オストベルグは今週末のラリー・チリでFIA WRC2プロ選手権での3勝目を挙げることができれば、今季このカテゴリーでの無敗記録を保持することができる。
ラリー・スウェーデンを制したオストベルグは2週間前のアルゼンチンでも勝利を重ねることに成功し、タイトルをめぐる戦いでは3位で南米開催のダブルヘッダーの後半戦となる今回のイベントにのぞむことになる。
ここまでのWRC2プロ選手権はポーランドのウーカシュ・ピニオウジェックが62ポイントでリードするが、彼はこの南米ダブルヘッダーを欠場しており、58ポイントで選手権2位につけるガス・グリーンスミス、50ポイントのオストベルグにはともにここで選手権リーダーに躍り出すチャンスがある。
今週の月曜日、WRC2の合同テストが行われ、エントラントたちは初めてチリのグラベルロードを体験している。オストベルグは限られた走行のなかで、シトロエンC3 R5のセッティングを試してみたと語った。
「予想していたよりもちょっと違っていた、だからこれまでのラリー実戦やテストで培った経験を活用すべく実質可能なあらゆるオプションを試したみたんだ」とオストベルグは語った。「ステージはいろいろなキャラクターがミックスされているという印象をもった。
選手権トップのピニオウジェックに4ポイント差で続くグリーンスミスは、どれだけ精度が高いペースノートを仕上げることができたのかが週末を決めることになると考えている。
「主催者たちがオンボード映像を提供してくれたのを僕もかなり時間をかけて研究してきたけど、ステージが実際どんな感じになるのかというのを正確に感覚として捉えるのはやはり難しかったし、どの程度ワイドあるいはナローになるのかという点においては特にそうだった」とグリーンスミスは説明した。
さらに、シュコダ・モータースポーツからカッレ・ロヴァンペラとマルコ・ブラチアのデュオがWRC2プロに参戦する。ボリビア出身のブラチアはアルゼンチンでの大クラッシュから復帰しての参戦となる。
プライベーターのためのWRC2カテゴリーでは、アルゼンチンでは初日の横転があったにも関わらずカテゴリートップでフィニッシュしているベニート・グエラが参戦する。メキシコ出身の彼は、オーレ・クリスチャン・ヴェイビーに対して3ポイント、ニコライ・グリアジンに15秒のアドバンテージを築いているが、二人は今回のイベントにはエントリーしておらず、ヴェイビーはレッキのみの参加となっている。
グエラに対して最も強力なライバルとなりそうなのはチリ出身、ペドロとアルベルトのヘラー兄弟だろう。アルゼンチンで勝利しているペドロはアルベルトより順位が2つ下の6位につけている。二人ともMスポーツのフォード・フィエスタR5をドライブする。
さらに、トヨタGAZOOレーシング・ラリーチャレンジプログラムの勝田貴元は、前戦アルゼンチンではラリーをリードしていた金曜日にホイール破損でリタイアとなっているだけに、チリではグラベルラウンドでの初勝利を目指すことになる。
フォルクスワーゲン・ポロR5をアルゼンチンでリタイアさせたカイエタン・カイエタノビッチはマシンのダメージの問題からチリへの参戦を中止している。
計18台のエントラントの残りの枠にはすべてチリ人ドライバーが控えている。イスラエル・ファミリーからはベンジャミン、ヴィセンテ、そして従兄弟のサミュエルがすべてC3 R5を走らせる。一方、8度の国内チャンピオンに輝いたホルヘ・マルチネスは自らのホームイベントでファビアR5をドライブする。