WRC2017/11/30

オレカR4、デュ・ヴァールで開発テストを完了

(c)Oreca

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 オレカ・エティオスR4はこれまでの数ヶ月にわかる開発期間を経て、先週末行われたフランス選手権最終戦のラリー・デュ・ヴァールでゼロカーとしてデビューした。

 FIA R4キットの開発プロジェクトが始まって以来、オレカ・グループの技術チームは、このキットを組み込んだエティオスR4とともにあらゆる路面コンディションでキットの検証を行ってきた。

 最初のテストは、オレカのワークショップに近い、リヴーのダートコースでステファン・サラザンが行い、次にジュリアン・モーランがフォンジョンクーズの荒れたテストコースを走り、テーム・スニネンがヴォージュの山岳ステージのマディなコースを走ったあと、モンテカルロを想定した高低差のあるターマックをサラザンが行い、その後、ラファエル・アスティエが交代している。

 こうした一連のテストを経て、オレカの開発チームはレースの条件でキットを検証し、ライバルとの走りを比較して最終的なスペックを微調整するための舞台としてラリー・デュ・ヴァールが選ばれ、サラザンがステアリングを握ることになった。

 サラザンは先週の木曜日に行われたシェイクダウンから日曜日のゴールまでを走り切り、オレカでFIA R4キットのプロジェクトマネージャーを務めるマティユー・バッソーはR4キットに信頼性の問題などが発生しなかったことに満足していると語った。

「ラリー・デュ・ヴァールでは実戦と同じ条件でキットを検証し、それを公開することが目的だった。私たちの目的は明らかに現実の状態でキットを検証し、それを公開することでした。これまでの仕上げとしてはかなり満足だ。テスト段階全体を通して、信頼性の問題はゼロだったからね」とバッソーは語った。「パフォーマンスレベルに関しては、私たちが設定したとおりだったし、サービスパークでも我々のR4のキットはみんなからの注目を集めていたし、ステファン(・サラザン)も笑顔でマシンから下りることができたので、我々の任務は完了だよ」

 サラザンもR4キットが狙いどおりのパフォーマンスを証明したと高く評価した。

「ラリー全体を通して楽しむことができたよ。これまで私たちが手がけてきたすべての開発作業の結果としては肯定的な経験だった。実戦でテストして検証することは不可欠だったし、まったく何の問題も発生することはなく、最初から最後まで信頼できるマシンだった。このマシンは本当にR3とR5の間の非常に良い妥協であることが僕にははっきりとわかったし、若いドライバーが4輪駆動マシンを学ぶことを可能にするだろう」

 また、オレカはラリーがゴールした翌日、フランスで若いドライバーがR4キットを体験できるようテストセッションを設けており、ラリー・フィンランドでジュニアWRC優勝を飾っているニコラ・シアマン、若手のカンタン・リボー、ポルトガルのARCチームのペドロ・アルメイダが初めてR4キットを試している。

 オレカにとれば、開発段階はこれで終了し、これから数日のうちにFIAホモロゲーションを承認されるための手続きの準備段階へと入り、そして最初のチームにむけてキットのデリバリーが行われると説明している。