RallyCross2017/11/13

クリストファーソン、南アフリカWRXで今季7勝目

(c)fiaworldrallycross.com

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 南アフリカ・ケープタウンのキラーニー・インターナショナル・レースウェイで開催された2017年世界ラリークロス選手権の最終戦は、今季のチャンピオンのヨハン・クリストファーソン(フォルクスワーゲン・ポロGTI)が今季7勝目を飾ってシーズンを締めくくった。

 今季最終戦のファイナルレースは、Q3を制して予選トップでセミファイナルに進出、順当に勝ち上がってファイナルのポールポジションを獲得したクリストファーソンと、初日のQ1に続いてQ4を制したティミー・ハンセン(プジョー208 WRX)との一気討ちとなるかに思われた。しかし、ハンセンはクリストファーソンと並んで2番手で最初のコーナーへと進入したものの、ワイドになって、マティアス・エクストローム(アウディS1)とペター・ソルベルグ(VWポロGTI)の先行を許すことになり、進路を失ったハンセンはジョーカーラップを選択することになる。

 ソルベルグと僅差でドライバーズ選手権の2位を争う昨年の王者エクストロームは相手の出方をうかがい選手権のためのバトルを続けており、クリストファーソンは独走態勢を築くことになる。ハンセンはジョーカーから戻ったあと素晴らしいペースで追撃を開始、3周目にソルベルグがジョーカーを選んだ際に3位に浮上、4周目にエクストロームがジョーカーを選んだ際に2位に順位を上げることになる。

 クリーンな走りでレースをリードしてきたクリストファーソンは最終ラップでジョーカーラップを選ぶも、ハンセンは0.9秒届かず、クリストファーソンが王者に輝いたシーズンを年間7勝目という新記録で締めくくることになった。

「チームとドライバーのチャンピオンシップを獲得した今季を最終戦の素晴らしい結果で締めくくることができてうれしいよ」とクリストファーズソンは語った。

「今年はチームがとても力を発揮してくれた。世界RXの新しい記録を達成したことは素晴らしい気分だが、タイトルを獲得できたことはいまでも本当に信じられない気持ちだよ。セミファイナルでスローパンクをしたが、うまくマネージメントできた。ファイナルもいいスタートを決めることができたし、うまく後方とのタイム差をマネージメントできた。素晴らしいシーズンになったが、来年もVWとともに帰ってくることを楽しみにしているよ」

 エクストロームは最終ラップまでもつれたソルベルグの追撃から逃れてファイナルを3位でフィニッシュ、選手権でもソルベルグを5ポイント差で逆転してドライバー選手権2位でシーズンを終えることになった。

 また、エクストロームにとっては彼のEKSチームのチーム選手権2位争いかかっていたが、こちらはティミー・ハンセンが2位でフィニッシュしたことでチーム・プジョー・ハンセンがチームの名誉を守る形で選手権2位となっている。

 セバスチャン・ローブ(プジョー208 WRX)は初日に続いてセミファイナルでもパンクによるリタイアとなり最終戦でのファイナル進出はならなかった。ドライバーズ選手権ではソルベルグに続いて4位でシーズンを終えている。

 また、今季をもって選手権から撤退することになっているフーニガン・レーシング・ディヴィジョンのケン・ブロック(フォード・フォーカスRS RX)は予選初日をトップで折り返し、セミファイナルでも2位になりファイナルでの表彰台も期待されたが、ボディパネルの多くを接触のために失った彼は、レース後のウェイト検査で最低重量に満たないことからファイナル進出の資格を剥奪されることになり、チームにとっての最後の一戦を不運な結果で終えることになった。

 ブロックに代わってリザーブドライバーだったケヴィン・ハンセンが、2016年スペックのプジョー208 WRXにもかかわらずファイナルに進出することになったものの、スタート直後にトランスミッション・トラブルでリタイアとなっている。

 MJPレーシングチームのティモ・シャイダー(フォード・フィエスタ)がルーキーながら5回目のファイナル出場を飾り、5位で最終戦をフィニッシュした。

 また、地元から出場したラリードライバーのマーク・クロニエ(プジョー208)とアシュレイ・ハイ-スミス(フォード・フィエスタ)はともに初の世界ラリークロス選手権でのセミファイナル進出はならなかった。