ERC2018/10/14

グリアジン、ERCジュニアU28初王座にむけてリード

(c)ERC

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 ラトビアで開催されているヨーロッパ選手権最終戦のラリー・リエパーヤの初日、ロシアのニコライ・グリアジン(シュコダ・ファビアR5)が、150km/hでの高速スピンや最終ステージでのパンクに見舞われながらも初日に行われた6SSのうち5ステージにおいてベストタイムを奪ってラリーをリードするとともにERCジュニアU28選手権の初王座にむけて力強いスタートを切った。

 金曜日の予選でトップタイムをマークしたグリアジンは、土曜日の朝から好調の走りをみせつけてSS1でベストタイムを奪って発進したが、ジュニアU28選手権の2位につけているイギリスのクリス・イングラム(シュコダ・ファビアR5)が3秒差で続くことになったが、選手権を争うフロントランナー2人はともに続くSS2で高速スピンを喫してヒヤリとするシーンを見せることになる。

 まずはイングラムがバンクに接触してスピンを喫し、後続のグリアジンも彼のラインに惑わされて激しくスピンをしてマシンを一度止めることになった。

「最初、ペースノートのミスをしたのかと思ったよ。僕らは速すぎたために進入するポイントが遅れてしまい、ワイドになってしまってスピンしてしまったんだ」とグリアジンは語った。「スピンがやっと収まるときにディッチに落ちてしまいリバースギヤで戻らなければならなかった。かなりタイムを失ったよ」

 グリアジンとイングラムはスピンしたにもかかわらず、このステージでも1-2のトップタイムを奪っており、その後もグリアジンが連続してベストタイムを刻み、朝のループを終えてイングラムに10.6秒差をつけることになった。

 グリアジンの安定した速さは午後のステージでもかわらず、彼はSS5まで5連続でベストタイムを並べて初日をフィニッシュするかにも見えたが、最終ステージで左リヤタイヤをパンク、完全にブローした状態でフィニッシュしたにもかかわらずわずか失ったのは0.6秒のみでイングラムに対して19秒差をつけて初日をリードすることになった。

「このパンクはどうして起きたのかわからないが、中盤あたりからどんどん悪くなったように感じられて、最後のほうではコーナーが恐かったほどだった。この日の序盤にスピンしたときにはなにやってんだと落ち込んだけど、それ以降は落ち着いて走ることができている。とにかくフィニッシュすることが大事だからね」

 イングラムは5SS連続でグリアジンに次ぐ2番手タイムを出していたが、最終ステージでは待望のベストタイムを奪って2位でこの日を終えることになった。

「朝の危ない瞬間があったが、そのあとは楽しんでドライブすることができた。ニコライは地元のスペシャリストだが、少しずつ彼に近づいていると感じているよ。僕が慎重でなければもう少しプッシュもできたんだけどね」とイングラムは語っている。

 ジュニアU28の3位につけるシュコダ・アウト・ドイッチュランドのファビアン・クライム(シュコダ・ファビアR5)は、スウェーデンのフレデリック・オーリン(シュコダ・ファビアR5)を抜いて3位で初日を終えたが、その差はわずか2秒にすぎない。

 5位にはポーランドのウーカシュ・ハバイ(シュコダ・ファビアR5)がつけているものの、0.3秒差でノルウェーのエイヴィンド・ブリニルドセン(フォード・フィエスタR5)が「ライバルたちに比べて最高速で10km/hmも遅いんだ」と嘆きながらもピタリとつけている。

 7位にはACCRチェコ・ラリーチームのフィリップ・マレシュ(シュコダ・ファビアR5)が続き、午後のループでオーバーヒートの症状に苦しんでいたプジョー・ラリーアカデミーのローラン・ペリエ(プジョー208 T16 R5)は最終ステージを8位でゴールしたあと、ロードセクションでマシンを止めてリタイアとなった。

 ジュニアU27選手権はオペル・ジュニアチームのトム・クリステンソン(オペル・アダムR2)がリード、すでに前戦でチャンピオンを決めている地元のマーティンシュ・セスクス(オペル・アダムR2)は前戦ポーランドのクラッシュのあとでペースに苦しむことになり、18.8秒差の2位で続いている。

 またラリー・リエパーヤでは併催でラトビア選手権が開催されており、セスクスの0.9秒差の2位でオリヴァー・ソルベルグ(プジョー208 R2)がフィニッシュしている。