WRC2022/06/30

グリアジンの入国をエストニアが認めず

(c)RedBull Content Pool

 ロシア人ドライバーのニコライ・グリアジンとコドライバーのコンスタンティン・アレクサンドロフは、7月に行われるラリー・エストニアには出場できなくなった。

 エストニアのASNであるエストニア・オートスポーツ連盟とエストニアのスポーツ・オリンピック連盟は、ウクライナへのロシアの侵略戦争のため、ロシア人やベラルーシ人がラリー・エストニアに出場することについては認めないことを決定、ラリー・エストニアのボスであるウルモ・アーヴァもこの決定に基づくことになると以前に発言してきた。だが、それにもかかわらず、グリアジンはラリー・エストニアにエントリーを表明、いまも彼の名前はエントリーリストに残っている。

 FIAは、ロシアが侵略を開始した直後の3月、今後、ロシア人ドライバーが世界ラリー選手権などFIA公認選手権に出場するためには、ロシア国籍などを示す表示を行わず、中立的な立ち場でエントリーすることなどを条件として出場を認めてきた。そのためグリアジンはラリー・デ・ポルトガルとラリー・イタリア・サルディニアに出場してきたが、これらはポルトガルとイタリアのASNが彼のエントリーに同意したため実現したが、すでにエストニアはロシア人とベラルーシ人の国内イベントの出場を禁止してきた。

 グリアジンのエントリー問題は最終的にエストニア内務省レベルにまで進んで検討されることになったが、同省は、グリアジンとアレクサンドロフが競技期間中にエストニアに入国することを認めないことを決定した。

 エストニア内務省のウェブサイトによると、グリアジンとコドライバーのアレクサンドロフの入国禁止はすでに6月23日に発効しており、ラリー・エストニアが終了する翌日の7月18日に期間終了する。

 エストニア文化省の次官であるタルヴイ・ピュルンは、グリアジンらの再入国禁止の法的根拠は二人の安全を保証することであると同国メディアに語った。

 トークスポーツWRTから今季のWRC2に出場するグリアジンは、ラリー・イタリア・サルディニアで優勝を飾り、現在、ドライバーズ選手権で3位につけている。