ERC2017/08/29

グリーベル、ERCジュニアU28タイトル決定

(c)ERC

 ドイツのマリヤン・グリーベルがチェコで開催されたバルム・チェコ・ラリー・ズリンで今季3勝目を挙げ、今年度から新たに導入されたFIA ERCジュニアU28選手権のタイトルを確定させた。

 2016年にオペル・アダムR2を駆ってERCジュニア選手権を制しているグリーベルは、今後の飛躍が期待される若手のために今年から設けられた、ピレリ・タイヤを装着したR5カーによるヨーロッパ選手権のなかの新たなカテゴリーであるにERCジュニアU28にライムンド・バームシュラーガー率いるオーストリアのBRRラリー&レーシングが走らせるシュコダ・ファビアR5を駆ってステップアップ、ラリー・アソーレス、ラリー・ジェシュフ、そして今回のバルム・チェコ・ラリー・ズリンで勝利を飾り、初年度の王者を獲得することになった。

 現役の警察官でもあるグリーベルは、特典として2018年世界選手権のヨーロッパ開催の1戦にWRカーで参戦する権利を獲得した。これによって彼は、国内選手権レベルからERCを経てWRCへの進出を果たすことになり、それは、ヨーロッパ選手権のプロモーターであるユーロスポーツ・イベンツによる、このスポーツの頂点を目指す若手ドライバーにステップアップのための明確な道筋を提供していくという目標に沿うことになる。

 グリーベルは、タイトルが獲れるとは思ってもいなかったと語った。

「前6戦のうちの4戦を終えた時点でチャンピオンになることなんて、本当に予想していなかったよ。けれど、3勝とカナリアスでの3位とERCでのすべてのラリーはほぼ完璧に近かった」とグリーベルは語った。

「本当に良かった、だから毎回パーフェクトなクルマを準備してくれたバウムシュラッガー・ラリー・レーシングにすごく感謝している。シーズン中ずっと問題やトラブルもなかったし、僕は嬉しい気持ちでいっぱいだ」

「ERCは本当にサイコーだ。僕たちは本当に難しいさまざまなタイプのラリーに挑むことができるから学ぶことがとても多い。それにERCのプロモーションが非常に充実していて、TVの時間も多くとっている分スポンサーが見つけやすくなる。僕にとってすべてがうまく噛み合って、キャリアの中での大きな一歩前進となった」

 ERCコーディネーター、ジャン-バティスト・レイは語った。

「卓越したパフォーマンスとFIA ERCジュニアU28選手権初年度を制し、成し遂げたすべての成果においてマリヤンを心から祝福したい。2014年に国内選手権レベルからERCにステップアップして以来、マリヤンは常に素晴らしいパフォーマンスを披露し、成功を追い求める中で弛まぬ努力を続けてきた。彼は昨シーズン、2016年にERCジュニアのタイトルを獲った賞として、R5カーでのデビュー戦となったキプロスで2位になり、彼の持つポテンシャルを明示することとなった。彼は素晴らしいプロフェッショナルであり、特典として得たWRカーをドライブできる機会が彼にとってラリー・ピラミッドを駆け上っていくための跳躍台となること、そして若手ドライバーたちをそれぞれの国内選手権からERCを通じてグローバルな舞へとレベルアップしていくのを支援するためのヨーロッパ選手権の持つ極めて重要な役割が明確に示されことを我々は期待している」

 グリーベルはタイトルを決めたものの、このまま参戦を継続し、9月15日〜17日に開催される次戦のラリー・ディ・ローマ・カピターレにもステファン・コプシックとのコンビで出場することになっている。