WRC2022/12/21

グリーンスミス、Mスポーツ・フォードを離脱

(c)M-Sport

 Mスポーツは、2023年の世界ラリー選手権に関してガス・グリーンスミスと合意に至らなかったため今後は別々の道を歩むことになったことを発表した。

 これは、グリーンスミスがMスポーツのラリーカーとともにラリーのトップレベルまで上り詰めることになった8年にわたる長期的なパートナーシップに終止符を打たれたことを意味する。

 25歳のグリーンスミスは、フォード・フィエスタR1でラリーのキャリアをスタートさせ、ドライブDMACKトロフィーでフィエスタR2Tに乗り換え、2年連続で参戦を行った。その後、彼はフィエスタR5にアップグレードし、2019年シーズンの初めにMスポーツのWRC2オフィシャルチームに加わった。

 グリーンスミスは2019年のラリー・デ・ポルトガルでフィエスタWRCでトップカテゴリーにデビュー、2020年もパートタイムでWRカーで参戦したあと、2021年には全12ラリーに参戦し、サファリ・ラリー・ケニアで総合4位というキャリアベストを達成した。ハイブリッドRally1カーによる新シーズンとなった今季、彼は全13戦にフル参戦して選手権10位でフィニッシュしているが、開幕戦のラリー・モンテカルロでは初ステージ優勝を飾って5位入賞、続く第2戦のラリー・スウェーデンでも5位になり堅実なスタートを切ったものの、後半戦は何度もリタイアやクラッシュを繰り返していた。

 グリーンスミスは、Mスポーツを離れることになったことをソーシャルメディアで報告するとともに、2023年のプログラムは追って明らかにすることを表明している。

「8年間、共に苦楽を共にしたことは、僕にとってかけがえのないものだった。Mスポーツの皆さん、ありがとう。2023年の僕のプログラムは、追って発表できることを期待している」とグリーンスミスはコメントしている。

 Mスポーツは、グリーンスミスに感謝を述べるとともに新しいチャレンジにエールを贈っている。

「ガス、君は8年前、フィエスタR1で国内ラリーに出場し、プーマRally1で世界の強豪を相手にトップまで上り詰めた。そして今日、ガスとMスポーツは別れることになった。しかし、これは終わりではなく、別れでもない。ドベンバイ・ホールのみんなからの心からの感謝を伝えるとともに、これからの活躍を願っている」

 グリーンスミスは、2023年にはセバスチャン・オジエが参戦しないイベントではGRヤリスRally1のカスタマーマシンをレンタルして参戦するための話し合いをトヨタと行った模様だが、トヨタは4台目のGRヤリスRally1をカスタマーにレンタルすることについて最終決定を下してないため、彼のプランがすぐに実現するのは困難だと見られている。