WRC2017/04/08

コルシカ初日、ミークがオジエを抑えてリード

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 2017年世界ラリー選手権(WRC)第4戦ツール・ド・コルスは4月7日にDAY 1を迎え、シトロエン・レーシングのクリス・ミーク(シトロエンC3 WRC)がMスポーツ・ワールドラリーチームのセバスチャン・オジエ(フォード・フィエスタWRC)に10.3秒をつけて初日をリードした。

 ツール・ド・コルス初日は、前夜にスタートセレモニーが行われたアジャクシオからスタート、31.20kmのピローズラ〜アルビレクチア、29.12kmのプラージュ・デュ・リアモーヌ〜サロラ・カルコピノの2SSをデイサービスなしでタイヤ交換のみで2回ループする120.64kmの一日となる。

 青空が広がったオープニングステージはほとんどドライコンディションとなったものの、終盤近くの木陰は湿っており、ツイスティでバンピーな路面がドライバーたちを待ち受けていた。

 このステージで快心のトップタイムを奪ったのはミーク。彼は6番手というポジションだったため、ところどころのコーナーでは先行車にかきだされた泥に悩まされ、さらに鼻血を出しながらも圧巻のタイムを叩きだすことになった。選手権リーダーのオジエはオープニングセクションでは最速だったが、バンピーなセクションでタイムを落とすことになり5.7秒差の2番手、3番手にはヒュンダイ・モータースポーツのティエリー・ヌーヴィル(ヒュンダイi20 クーペWRC)が続くことになったが、彼は終盤でのアンダーステアに悩まされ、ラインを外すことが何度かあったと首を横に振る。

 TOYOTA GAZOO Racing WRTのヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC)も期待に反してペースが上がらない。彼はステージ終盤のしめったセクションでのアンダーステアに悩まされて7番手でスタートすることになったが、チームメイトのユホ・ハンニネンはさらに深刻な問題に見舞われている。

 彼は滑りやすいコーナーでワイドになって石橋にヒット、損傷したステアリングアームをチェックするために数百メートル走ったあとにストップしたものの、ヤリスの右リヤのブレーキから出火したために彼がコースに復帰するのを遅らせることになり、彼は13分遅れでこのステージをフィニッシュしたあとリタイアになっている。

 続くSS2は西海岸沿いのリアモーヌから急な上りのツイスティな坂道を駆け上がり、峠を越えてサロラ・カルコピノまでを駆け下りる29.12kmだ。ミークは、ここでもオジエを3.2秒上回るベストタイム。オジエはステージの前にセットアップを少しいじったことでマシンのフィーリングが改善したと語ったものの、8.9秒差にリードを広げられることになった。ヌーヴィルはここでもリズムに苦しみ、ミークからは17.2秒遅れで朝のループを終えることになった。

 21.5秒遅れの4番手にはオット・タナク(フォード・フィエスタWRC)、5番手にはダニエル・ソルド(ヒュンダイi20クーペWRC)、6番手にはクレイグ・ブリーン(シトロエンC3 WRC)が続いているが、この3人はわずか8.2秒という僅差にひしめいている。

 だが、タイヤフィッティングゾーンでのタイヤ交換を挟んだ午後のループの最初のステージでは波乱が待っていた。タナクがスタート直後のコーナーでスライドしてコースオフ、ディッチからの脱出ができなかったためにリタイアとなってしまった。ミークはタナクがオフしたコーナーでアクセルを緩めたためにここでは2番手タイム、オジエが0.8秒ながらミークを上回るベストタイム、二人の差を8.1秒に縮めてここから反撃を開始するかにも見えた。

 だが、最後のステージでこの日3つめのベストタイムを奪ったミークが、オジエに10.3秒の差をつけて初日を終えることになった。

「午後のステージは汚れていてタフだったが、楽しむことができた。だがセブには常に警戒が必要だ。彼は決して諦めないからね。今のところペースは快適だよ。明日がどうなるか様子を見よう」とミークは語っている。

 いっぽう、昨年は初日4ステージすべてでトップタイムをマークしたオジエだが、この日奪ったベストタイムはわずか1つのみ。それでも少しずつフィエスタのフィーリングはよくなってきたと彼は明日の巻き返しを期している。

 初日3位につけたのはヌーヴィル。朝から3ステージ連続して3番手タイムだったヌーヴィルは、この日の最後のステージで限界ギリギリの走りで追撃を試みるも、またもトップ2台には届かず、25.8秒遅れとなってしまった。

 タナクがリタイアしたあと、ソルドとブリーンが激しくポジションを争うことになり、最終ステージでアンダーステアに苦しむソルドを抜いたブリーンが4位で初日を終えることになった。

 ラトバラは初日不満の6 位、ペースを改善するためにはまだまだやるべきことがあると彼は首を横に振る。SS3では崖にヒットしてあわやのシーンもあったヘイデン・パッドン(ヒュンダイi20クーペWRC)はリヤが滑りやすいマシンに最後まで自信をもてないまま7位という不本意な一日となった。

 パドルシフトに問題を抱えたステファン・ルフェーブル(シトロエンC3 WRC)が9位、シュコダ・ファビアR5のアンドレアス・ミケルセンが総合10位、WRC2カテゴリーの首位で初日を終えている。

 また、2年前のコルシカでは一時ラリーをリードしたエルフィン・エヴァンス(フォード・フィエスタWRC)だが、DMACKのパフォーマンス不足のため9番手と苦しいスタートとなった。さらに彼はSS2から油圧トラブルに見舞われてペースダウン、ノーサービスの一日のため6分40秒遅れの18位と失望の初日となってしまった。

 土曜日のDAY2はバスティア近郊で行われる4SS/131.96kmの一日となる。オープニングステージの48.71kmのラ・ポルタ〜ヴァレ・ディ・ロスティノは現地8時40分(日本時間15時40分)のスタートが予定されている。天気予報は、明日も雨はなく、快晴の一日になると伝えている。