JAPAN2022/09/13

コヴァライネンが全日本ラリー選手権王者に

(c)Takeshi Sakuma

(c)Takeshi Sakuma

 2022年全日本ラリー選手権第7戦のラリー北海道が9月10〜12日に北海道帯広市で開催され、トヨタGAZOOレーシングの勝田範彦/木村祐介(トヨタGRヤリス)が今季2勝目をマークすることになったが、ヘイッキ・コヴァライネン/北川紗衣(シュコダ・ファビアR5)が最終戦を待つことなく、今季のJN-1クラスのチャンピオンに輝いている。

 ラリー北海道は初日、SS2で首位に立った新井敏弘/田中直哉(スバルWRX STI)がリードを奪うも、午後になるとペースを上げた勝田がSS5でベストタイムを奪って首位へと浮上、SS7でも2つ目のベストタイムをマークし、新井に12.6秒差をつけて初日を終え、新井の0.1秒後方に奴田原文雄/東駿吾(トヨタGRヤリス)が追い上げてきた。

 勝田は最終日も残された3つのSSでも安定したペースで走行し、首位を守ってフィニッシュ。5月の久万高原ラリー以来となる今季2勝目、そしてラリー北海道2年連続勝利を飾ることになった。また、僅差の2位争いは最終日に2つのベストタイムを奪った奴田原が0.6秒差で新井を下して2位に輝いている。

 一方、コヴァライネンは今季これまでの6戦で5勝を飾っており、タイトルに王手をかけてラリー北海道をスタートするも、全日本カテゴリーでは一番手でのスタートポジションということもあり、ダスティなロングステージではペースを落として慎重なアプローチで挑むことになった。しかし、かえってリズムをつかめないままにSS5ヤム・ワッカでは橋のバリアにヒットしてサスペンションを壊してしまい、JN-1クラス9位、総合35位でのフィニッシュを迎えている。

 勝田は北海道の勝利で選手権では114.8ポイントへと伸ばしたが、最終戦での最大ポイントとなる23ポイントを獲得しても、ベスト7戦の有効ポイント制に阻まれてコヴァライネンの130ポイントを逆転することが不可能となるため、コヴァライネンの全日本トップカテゴリーでの初タイトルが確定している。

「2022年の日本ラリーチャンピオンになることができた。ラリーチームアイセロ、楽しいシーズンをありがとう。そして北川紗衣さんの素晴らしいナビゲートに感謝したい」とコヴァライネンは語っている。

「チャンピオンシップの可能性が非常に高いことは、週末の前にすでに知っていたが、ジャッキに損傷があったため、パンクをうまく乗り切ることができなかったんだ。少し困難な戦いだったよ」

 また、JN-2クラスは小倉雅俊/平山真理(ホンダ・シビック)、JN-3クラスは山本悠太/立久井和子(トヨタ86)、JN-4クラスは岡田孝一/河本拓哉(スズキ・スイフトスポーツ)、JN-5は大倉聡/豊田耕司(トヨタ・ヴィッツCVT)、JN-6は鷲尾俊一/鈴木隆司(マツダ・デミオ)がそれぞれ優勝を飾っている。また、FIA国際格式カテゴリーは今井聡/高橋芙悠(三菱ランサーエボリューション)が2年連続勝利を飾っている。

 次戦、全日本ラリー選手権の次戦は10月14〜15日に岐阜県高山市周辺で行われるM.C.S.Cラリーハイランドマスターズ2022となる。