Raid2023/01/12

サインツ、第10ステージの出走を断念

(c)RedBull Content Pool

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 ダカール・ラリーは水曜日に第10ステージを迎えたが、チーム・アウディ・スポーツは前日にクラッシュしたカルロス・サインツのアウディRS Q e-tron E2の修理が間に合わず、リスタートを断念することになった。

 サインツは、休息日明けの第9ステージで砂丘を見誤ったために穴に真っ逆さまに転落、チェックのためにヘリコプターで病院に搬送されることになった。彼にとって第6ステージのクラッシュに続く2度目のアクシデントであり、マシンのダメージとともに彼も背中に痛みを訴えていたことから、その瞬間に今年のラリーは終わったかとも思われた。

「典型的なダカールの事故だった」とサインツはアクシデントの直後に語っていた。「あと2メートル左か右に寄れば大丈夫だったんだけど、大きな穴が開いてしまっていたんだ。残念なことに、この数日で2回目のアクシデントになってしまった。背中と首に痛みがあるのは確かで、もちろん、大きな落胆はあるが、これがダカールだ」

 サインツは、一度はヘリで検査のために病院に向かったが、強靱な意志とともにビバークに戻るようヘリに要請し、マシンを修理して戦いを再開する意志を示した。だが、チームは必死に修理を試みたが、ダメージが大きすぎて続行不可能と判断、サインツは第10ステージのリスタートを断念して今年のダカール・チャレンジはここで幕を閉じることになった。

 水曜日に行われた、ハラドからシェイバまでの114kmの第10ステージでは、バーレーン・レイド・エクストリームのセバスチャン・ローブ(プロドライブ・ハンターT1+)が前日に続いて今大会4度目のステージ勝利を飾ることになった。総合3位につけるローブは、コースオープナーだったにもかかわらず「ノーミスだった」という好走をみせて2位につけるオーバードライブ・レーシングのルーカス・モラエス(トヨタ・ハイラックスT1+)におよそ16分差に迫ることになった。

 首位を堅持するトヨタGAZOOレーシングのナッサー・アル-アッティーヤ(トヨタGRハイラックスDKR T1+)は引き続き1時間21分という大きな差をつけてダカールをリードしている。「今日のスペシャルステージは短かったが、大変だったが、明日のためにいろいろとテストするには良い日だった。今日はあまりハードにプッシュしなかったし、リスクを冒したくなかったんだ。マラソン・ステージは明日だからね。でも、(チームメイトの)ジニール(・ドビリエ)がまだ後ろにいるし、僕らはチームとして戦っている」

 シェイバまでの短いリエゾンを終えたダカールは、明日からはマラソンステージの第11ステージと第12ステージへと突入する。外部からのアシストが許されないため、マシンとクルーたちのフィジカルの両面で耐久性が試される試練となる。