Raid2020/01/16

サインツがリードを18分に拡大、アロンソは横転

(c)Dakar2020

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 2020年ダカール・ラリーは、水曜日の第10ステージを終えてXレイド・チームのカルロス・サインツ(MINIジョンクーパーワークス・バギー)が総合首位をキープ、前日、サインツまで24秒差に迫ったトヨタGAZOOレーシングのナッサー・アル‐アッティーヤ(トヨタ・ハイラックス)は砂煙に阻まれてコースを見失ってしまい18分10秒の遅れを喫してしまった。

 ルブアルハリ砂漠を舞台にした534kmのハラドからシュバイタまでの第10ステージは、激しい砂嵐が吹き荒れるコースコンディションとなったためにダカール主催者は最後まで走行をつづけることを断念、223km地点のウェイポイントでのタイムをこの日のステージ結果とすることを決定した。

 しかし、サインツは予定されていたステージの前半だけで彼の主要なライバルであるアル‐アッティーヤとチー、チームメイトのステファン・ペテランセル(MINIジョンクーパーワークス・バギー)に対して決定的なギャップを築くことに成功した。

 昨年のダカール覇者であるアル-アッティーヤは、水曜日をサインツから24秒遅れで終え、ペテランセルに続く2番手の出走順でステージをスタートし、ペテランセルの後ろをぴったりとくっついて追った。

 しかし、アル‐アッティーヤはとペテランセルは道に迷って223 kmのウェイポイントを見失い、およそ15分近くを失った。

 一方、サインツは大きな後れはなく通過し、最終的にステージ勝利を獲得、アル‐アッティーヤには18分10秒、総合3位のペテランセルに18分26秒までリードを広げることに成功した。

 大きなリードを手にしたサインツだが、前日には彼自身もコースを見失ってタイムを失っているだけに、最後まで集中して走ると語っている。

「ラリーを通して全体的にナビゲーションは本当にトリッキーだが、今日は正しいステージを走ることができた。プッシュしたので、スピードもよかった」とサインツは語った。

「ギャップがこれほど大きくなるとは思っていなかったが、明日はまた別の日であり、逆のことが起こる可能性がある。僕も昨日、道をロストしているし、そのようなことが起きたらどのようなエンディングになるかわからないからね。最後まで集中し続けるよ」

 いっぽう、大差をつけられたとはいえ、アル-アッティーヤもまだ勝利を諦めてはいない。

「スタートは良かったが、道を間違ってしまったんだ。おそらく20kmは余分に走っただろう。カルロスに18分以上負けたが、これがレースであり、明日はまだ長い日がある。明日が勝負になることはわかっている。僕らは17番手からのスタートで、カルロスはコースオープナーだ。彼にとってそれは簡単ではないだろう。プレッシャーをかけるのは非常に難しいが、まずは良いステージにする必要がある」

 このステージはヤコブ・プシュゴンスキ(MINI オール4レーシング)が2番手タイム、3番手タイムのジニール・ドゥ・ヴィリエ(トヨタ・ハイラックス)が5位につけるオーランド・テラノヴァ(MINI オール4レーシング)の4分あまりの後方に迫っている。ヤジード・アル‐ラジ(トヨタ・ハイラックス)は5番手タイムで4位をキープした。ベルンハルト・テン・ブリンク(トヨタ・ハイラックス)が7位、マシュー・セラドーリ(センチュリーCR6バギー)が8位で続いている。

 この日を総合10位でスタートした2度のF1王者であるフェルナンド・アロンソ(トヨタ・ハイラックス)は、ステージ開始から2km地点でマシンを横転させてしまった。彼は破損したフロントガラスを取り外すなど修理のために長時間マシンをストップすることになり、1時間遅でウェイポイントに到着し、総合14位に転落した。

 4輪部門の競技者たちはこのあとシュバイターのビバークに向かったが、ダカールのマラソンステージのルールに基づいて、チームからのサポートを受けることは許可されていない。

 2020年ダカールも、いよいよ2日間およそ750kmの走行を残すのみとなった。明日の第11ステージも砂漠を舞台とした379kmという厳しい戦いの1日が待っている。