WRC2021/04/09

スウェーデン、北部のウーメオを新拠点に決定

(c)Toyota

 2022年のラリー・スウェーデンは48年前に世界ラリー選手権が誕生して以来初めてヴェルムランド地方を離れ、新たに北部のウーメオを拠点として開催される。

 2020年に開催されたラリー・スウェーデンは、かつてないほどの暖冬に見舞われたことからステージ上に雪がないなかで開催されたため、主催者は北部地域への移転を検討してきた。コロナウイルスの影響で中止に追い込まれた2021年は、これまでどおりにトースビーに拠点を置きながらも、ヴェルムランド県のメインルートに加えて、隣接する北部のダーラナ県にもルートを伸ばして開催する計画だった。

 しかし、2月にロヴァニエミで開催されたアークティック・ラリー・フィンランドの成功を考えると、ラリー・スウェーデンの北部への移動はもはや避けられないものであることが明らかであり、より長期にわたってWRCカレンダーにとどまるために主催者はこれまでの開催地であるトルスビーの北700kmに位置するウーメオの街を新しい拠点とすることになった。

 ラリー・スウェーデンCEOのグレン・オルソンは、オステルスンドとルーレオも候補として検討したが、過去の降雪データと優れたインフラからウーメオを新しいホームに選ぶことになったと説明した。

「より北の地域で、より雪が安泰な地域であることが基本的な条件であり、過去の気象データによってウーメオが決定することになった」とオルソンは語った。

「ウーメオの強みは、安定した冬の気候に加えて、サービスパークの立地とノリア見本市会場のHQとの組み合わせによるホテルの収容力の高さ、活気あるビジネスコミュニティ、そして多くのファンを惹きつける可能性があることだ」

「オステルスンドとルーレオも強力な入札を行い、何よりも素晴らしいコミットメントを提示してくれたが、全体的に見て、ウーメオはラリー・スウェーデンにとってより魅力的な開催コンセプトだった」

 コリンズ・クレストやかつて幾多のドラマの舞台となったヴェルムランドを離れることは悲しい決断だったとオルソンは認めた。

「スウェーデンは、世界ラリー選手権が始まった1973年から開催している数少ない国のひとつであり、ヴェルムランドの素晴らしいコミットメントと知見が重要な役割を果たしてきた」とオルソンは語った。

「長年に渡って多くの努力と献身を注いできた関係者やラリーを愛してくれた皆さんは、世界選手権におけるスウェーデンの地位を維持できたことを誇りに思うべきだ。ヴェルムランドは長年にわたって素晴らしい開催地だったし、多くの人々や支援者に感謝をしたい」