WRC2020/02/08

スウェーデン、57%へ短縮もフルポイント付与へ

(c)Toyota

 ラリー・スウェーデンは、当初は19SS/300.84kmのスペシャルステージが予定されていたが、8SSがキャンセルされて11SS/171.64kmへと短縮されたが、選手権ポイントについては「例外的な状況」と判断されてフルポイントが付与されることになった。

 ステージがキャンセルになった場合の選手権ポイントについては、2020年のFIA WRCスポーティングレギュレーション3.3.3項では、競技の走行距離が75%を超えていればフルポイントが付与され、50%以上75%未満は通常のポイントの半分となり、25%以上50%未満はポイントが1/3、25%未満はポイントが付与されないと定義している。(ただし、パワーステージのボーナスポイントはこれらの対象外となる)

 雪不足によってステージの距離が57.05%へと短縮されて開催されることが決まった2020年のラリー・スウェーデンは、本来であれば選手権ポイントは半分へと減点(小数点以下は四捨五入)となり、優勝者のポイントは13ポイントになるはずだった。しかし、FIAスポーティングレギュレーション3.3.3項では、「例外的な状況では、FIAは減点の帰属に異なる原則を適用することを決定する場合がある」と追記しており、今回についてはこれが適用されて、フルポイントが付与されることになったと考えられている。

 スウェーデンが雪不足のために開催の危機に陥ったことはこれが初めてのことではない。氷点下20度に近いウィンターコンディションが約束されていたカールスタッドに最初の異変があったのは1990年のことであり、このときは開催が中止に追い込まれている。

 その後も何度も雪不足と暖冬の危機にさらされ、2002年には開始直前になって降った雪に救われ、2008年には美しい雪がイベントの週末に10度近い気温が続いたことでウェットグラベルに近いコンディションで行われることになった。

 スウェーデンは2016年にはレッキを前にして暖冬によって道路が泥まみれのコースとなったことで1990年に続く二度目の開催危機に直面、主催者は21SSから13SSへとコースを短縮して、ルートに散水を行って人工のステージを準備してスタートを強行、ドライバーたちが雪のないコースでのラリーをボイコットしようとしたところで、奇跡的に金曜夜から10センチ近く雪が降ったことで翌日以降の開催が可能となっている。

 ステージは当初予定されていた331.21kmから226.48kmへ、およそ68%に短縮されたが、フルポイントが付与されており、翌2017年からFIAスポーティングレギュレーションにおいてステージ距離減少にともなう減点について定義することになった。