2022年アメリカンラリーアソシエーション(ARA)ナショナル・チャンピオンシップの最終戦、レイク・スペリオル・パフォーマンス・ラリーは、初タイトルに王手をかけていたフーニガン・レーシングのケン・ブロック(ヒョンデi20クーペWRC)がまさかのクラッシュ、スバル・モータースポーツUSAのスバルWRX STIを駆ったブランドン・セメナックとキートン・ウィリアムズが初の王座に輝くことになった。
15年ものキャリアで初の全米タイトル制覇を目指すブロックは、前戦のサスケハノック・パフォーマンス・トレイル・ラリーで今季4勝目を飾り、19ポイントという大きなリードを得て悲願の初王座が目前に迫っている。
スバルUSAというトップチームに所属して3年目を迎えたセメナックも今季は3勝を飾り、チームメイトのトラビス・パストラーナが速さでは追いつけなくなってきたと評価するほどに成長をみせてきた。だが、ブロックはこのレイク・スペリオル・パフォーマンス・ラリーで3回の優勝を飾っており、豊富な経験と熟成されたペースノートをもっているが、セメナックはこのイベントに参加したことすらない。
だが、圧倒的に有利な状況のなかで始まったラリーの初日、ブロックに波乱が訪れる。
ブロックはオープニングステージからラリーをリード、6つのステージを終えてセメナックに対して26.5秒のリードを築くことになったが、SS7のマディな右コーナーでクラッシュ、リタイアとなってしまう。
これでセメナックは首位に立ち、2位で続くパストラーナを29.7秒リードして初日を終えることになった。
セメナックはこの週末、ブロックより20ポイント以上を獲得すれば、逆転で初タイトルが決まることになるが、ロールケージにダメージを負ったブロックが最終日にパワーステージのポイントのためにリスタートできなくなったことから、プレッシャーがかからない展開となった。
セメナックは最終的にパストラーナに40.3秒差をつけて今季4勝目を飾るとともにARA王座を初めて獲得することになった。