ERC2020/07/27

ソルド、130日ぶりのラリーと勝利を喜ぶ

(c)Hyundai

 ヒュンダイ・モータースポーツのダニエル・ソルドは、ラリースターズ・ローマ・カピターレがチームにとって世界ラリー選手権のシーズン再開にむけた重要なテストを目的としたものだったとしながらも、自身にとっては130日ぶりにラリーに戻ることができたことを何より喜んでいる。

 世界ラリー選手権は3月のラリー・メキシコのあとシーズンがストップしており、ソルドにとってもヒュンダイi20クーペWRCのコクピットから離れてからかなり長い時間が経っている。ヒュンダイ・モータースポーツは先月、シーズン再開にむけてフィンランドでテストを行っているが、ソルドはこのテストには参加しておらず、MotoGPのトップライダーとのキャンペーンイベントにおいてほんのわずかな時間、i20クーペをドライブできたにすぎなかった。

 ERCのシーズン開幕戦となるラリー・ディ・ローマ・カピターレのWRカークラスとして開催されたこのイベントで、ソルドは初日、ラリーをリードしたがスロットルが戻らない問題が発生、コーナーでブレーキが間に合わずにオーバーシュートしてしまい、今年のWRC4戦においてヒュンダイの4人目のドライバーとなるルベーに首位を譲っている。

 けっきょくソルドは最終日に行われた9ステージすべてでベストタイムを奪って、ルベーに40秒差をつけて逆転勝利を飾ることになった。ソルドは初のWRカー参戦となった若いルベーの健闘を称賛しつつも、このイベントでは彼と自身の戦略は異なるものだったと語っている。

「彼はいいペースをみせたが、彼にとってはダニ・ソルドと争ってペースがどうだったかが大事な目標だった。しかし、僕らは異なる戦略で走っている」とソルドは語った。

「僕の目的はラリーをリードすることでも、勝利が目的だったわけでない。これはテストだからね。本当のラリーはドイツで行われる」

 ソルドは、ラリー・ドイッチュランドのために新しいエンジンのマッピングを試していたと認め、初日のSS3でオーバーシュートした原因となったのはターマックのコーナリングでのパフォーマンスを改善するためのエンジンの新しい制御を試していたと認めている。

「スロットルを離してもマシンがプッシュしていて、これはあまり良くなかった」とソルドは語った。

「エンジンをリセットしたときにも30秒ほど止まってしまったし、他の場所ではこの制御では遅くなってしまうところもあった。いくつかの場所で止めてしまい、コーヒーを飲むことができる時間があったほどだ」

 今回のローマへの参戦はテストが目的ではあったが、ソルドはこの週末、ラリー・メキシコのあと久々にラリーカーをドライブできたことを心から喜んでいる。

「勝利が目的だったわけでないとは言ったが、それはチームにとっての話で、もちろん僕個人にとっては素晴らしいラリーだった」とソルドは語った。

「シェイクダウンで久々にマシンに戻った時は少し奇妙だったし、最初のステージもしっくりしなかった。でも、その後はステージを楽しんだ。これまで長く我慢してきたからね! ローマにはコルシカのようなところもあれば、モンテカルロのようなところもあった。この道は好きだが、砂利や石がたくさんあって簡単ではなかったので、マシンをスクラップにしないことが重要だったよ!」

 ヒュンダイはWRCのシーズン再開イベントとして9月に予定されるラリー・エストニアにはオイット・タナクとティエリー・ヌーヴィルに加えて、クレイグ・ブリーンの起用を発表しており、ソルドの出番はまだはっきりしていない。

「今後の計画はまだはっきりしてないよ。というのは、まだまだ(コロナウイルスによる)状況は複雑だし、未知の部分が多い。どのイベントが行われ、チャンピオンシップがどうなるか、チームの目標がどうなっているかにかかっている。状況を見ていくよ」