ERC2019/05/26

ソルベルグ、ERCデビュー戦ラトビアを衝撃リード

(c)ERC

(c)ERC

(c)ERC

 ヨーロッパ・ラリー選手権(ERC)第3戦ラリー・リエパーヤは初日を終えて17歳のオリヴァー・ソルベルグ(フォルクスワーゲン・ポロGTI R5)がERCチャンピオンのアレクセイ・ルクヤヌク(シトロエンC3 R5)を9.7秒差でリードする衝撃の展開となっている。

 2003年のワールドチャンピオンであるペター・ソルベルグを父にもつオリヴァーは、ラトビアの高速グラベルステージを舞台とするラリー・リエパーヤのオープニングSSでベストタイムを奪って発進、さらにSS2でも連続してベストタイムを奪ってルクヤヌクとの差を8.9秒に拡大してみせた。

 オリヴァーはSS3ではルースグラベルがたまった右コーナーでハーフスピンを喫してルクヤヌクに3.8秒差まで迫られることになったが、タルシのリモートサービスを挟んで迎えた午後のループでも2つのステージでも連続してベストタイムを奪い、リードを9.7秒へと広げてリエパーヤのサービスパークへと帰ってきた。

「素晴らしいよ、これほど幸せだったことはない。これが僕らのERCデビュー戦で、ポロGTI R5での最初のグラベルラリーだからね。明日の最終日には8ステージを残しているが、ここまでは完璧なシナリオだ」とオリヴァーは語っている。

 オープニングSSを4番手タイムとやや出遅れてスタートしたサンテロック・ジュニアチームのルクヤヌクは、自信をもってペースを上げられずに2位にとどまることになった。オリヴァーの速さを前にすっかり形無しだが、今季初勝利を諦めたわけではない。

 オリヴァーと並んで初日に速さを見せたのは、ホストタウンのリエパーヤ出身の19歳のマルティンシュ・セスクス。2018年にERCジュニアU27選手権王者となったセスクスは、その褒賞によって今回、初めてシュコダ・ファビアR5で地元戦に参戦したが、ルクヤヌクの4.4秒後方につける健闘をみせている。

 ERC1ジュニア選手権のポイントリーダーであるクリス・イングラム(シュコダ・ファビアR5)はSS1ではルクヤヌクを押さえて3番手でスタートしたが、SS2で岩をヒットしたあと自信を挫かれたことを認めたが、それでもセスクスの11.6秒後方からポディウムを狙って明日の最終日に臨むつもりだ。

 選手権リーダーのウーカシュ・ハバイ(シュコダ・ファビアR5)はジャンクションをミスしながらも初日5番手につけており、ACCRチェコ・ナショナルチームのフィリップ・マレシュ(シュコダ・ファビアR5)が6番手で続いている。

 チームSTARDのシトロエンC3 R5でリエパーヤからERC挑戦を開始した新井大輝は、新しいマシンと新しいタイヤでの初戦でペースを探りながらスタート、朝のループを5番手で終えることになったが、サービスでエンジンがかからないトラブルに見舞われてTCに7分遅れ、70秒のペナルティを課されて初日は8番手となっている。

 ERC2選手権では、過去、リエパーヤで総合優勝を飾ったほか、ERCで3度の優勝経験をもつ地元のラルフス・シルマチス(三菱ランサーエボリューションX)が後続に4分42秒差をつけて独走、昨年まで世界ラリークロス選手権に参加していたレイニス・ニッティス(フィアット124 アバルトRGT)は3位につけていたが電気系のトラブルのためにマシンを止めている。

 ERC3ジュニア選手権は、エストニアのケン・トルン(フォード・フィエスタR2T)がリード、前戦勝者のジャン-バティスト・フランセスキ(フォード・フィエスタR2T)が12.8秒差で続く展開となっている。