WRC2020/05/13

タナク、「アダモは率直でわかりやすい」

(c)Hyundai

 ヒュンダイ・モータースポーツのオイット・タナクは、いまのチームボスであるアンドレア・アダモと2度の食事をしたあとチームへの移籍を決意したと語った。

 その決定は言うまでもなくラリー界に衝撃を走らせた。タナクは、最大の予算と強力なマシンを持つトヨタGAZOOレーシングにおいて、誰もが認める将来のチームリーダーを約束されていたからだ。

 しかし、タナクはその道を進むことを避け、まったく知らない道へと突き進んだ。彼は、選択をするのは簡単ではなかったと明かしたが、アダモ。

「僕はアダモをあまりよく知らなかった。彼のことはテレビや記者会見でしか見なかったし、私的な会話をすることはほぼ無かった」とタナクは語った。

「しかし、去年、僕たちは2度夕食を共にし、お互いをもっと知り始めた。選択をするのは簡単ではなかったが、チームの理念と目標が何であるかを理解するようになり、この旅路に参加したいと思ったわけだ」

 タナクは昨年9月、すでにヒュンダイへの移籍を心に決めていたが、それを悟られないように「アダモとは友達にはなれなかった」と表情を変えずに語ってメディアを欺いた。

 タナクは、トヨタからヒュンダイへ移籍することはたしかに大きな決断だったとふりかえったが、チームを移籍するうえでアダモを理解できたことは重要だったようだ。

「アダモはもちろん非常に率直な人だ。とても話しやすい。常にイエスとノーがはっきりしているので、何が可能で何が不可能かがすぐわかる」

「とにかく、彼の仕事のやり方は理解しやすいと思う。カメラの前とカメラに映らない場所では事情が異なることは常にある。彼はいい人で、良い仕事をしている。そして僕は、彼が彼の元で働く人々をとてもよく管理していると信じている」

「僕は前にいたチームと前のマシンではかなり強かった。だから、それは確かに大きな決断だった。僕自身も、大きな勇気を必要とする決定だと感じた。もちろんこの選択をするのは簡単ではなかったが、最終的に、僕たちはそうした。今のところ、僕は今いる場所にとても満足しているよ」

「全般的に、僕がワクワクしていることは間違いない。新しいものが沢山あり、彼らはドライバーのフィードバックに対して本当にオープンだ。もしドライバーが快適に感じるものをチームが何でも与えることができれば、これは間違いなくチームを強くすると思う」