WRC2020/05/10

タナク、「競争のプレッシャーが恋しい」

(c)Hyundai

 ワールドチャンピオンのオイット・タナクは、これまでで最も長く家族と一緒に過ごしている生活を愛しみつつ、びりびりとした重圧を感じながら競り合うラリーが恋しいと語った。

 ワールドチャンピオンのタナクにとって、ヒュンダイ・モータースポーツに移籍して迎えた新しいシーズンだっただけに、本来なら、いまはできるだけ多くの時間をニューマシンのコクピットですごしてペースをつかみたいところだったはずだ。新型コロナウイルスによって、いまはすべてのドライバーたちが活動休止状態となっており、タナクもコクピットから離れた生活を送っている。

 タナクがラリーのない生活にはなにか欠けているのかについてwrc.comのインタビューに対して答えている。

―ラリーのない生活はどうですか?

「競技、選手権、そしてサービスパークの皆のことが恋しいのは間違いない。でも、僕自身はとてもリラックスしていて、これまでで最も長く家族と一緒に過ごしている。それは良い面だ」

―このスポーツのどんなところが恋しいですか?

「僕は競争のプレッシャーが好きだし、働きたい。仕事が楽しい! チーム内では連絡を取り合っているが、長い休みで、かなり奇妙な期間だ」

―先月はラリー・アルゼンチンにいるはずでしたが、開催されていたらどんなラリーになっていたと思いますか。

「アルゼンチンは常にチャレンジングなイベントだが、以前僕はそこで勝利しているし、ヒュンダイも勝利している。だから、かなり良い結果になっただろうと思う。イベントの最初の2日間は高速ステージで難しいが、最終日のエル・コンドルとミナ・クラベーロは、より複雑でテクニカルだ。ラフなイベントだが、ステージはかなり高速でマシンは傷だらけになる。しかしヒュンダイはタフで速いマシンだからね」

―今季はまだ3つのラリーしか終えていませんが、ヒュンダイ・モータースポーツではどのように感じていますか?

「良いよ。確かにラリーの回数も少なく、テストも2回ほどだが、多くの人々に会い、チームがどれほどプロフェッショナルであるか見ることができた。チームは僕と(コドライバーの)マルティンが働きやすいように一生懸命に取り組んでくれている。また、フィードバックもすぐに受け入れられる。このことは、チームを強くするのに役立つ」

―ドライバーの中にはシミュレーターの競技に参加している人もいます。あなたはやってみましたか?

「あんまり。僕たちラリードライバーにとっては、それはあまりリアルではない。サーキットレースのドライバーとは少し異なる。彼らはコースを学ぶことができるからね。だが僕たちにとってはあまりそうではない。僕はこの期間を、トレーニングなどで忙しくしてきた」

―今、何を楽しみにしていますか?

「ヒュンダイに戻り、再びドライブすることだ。いつになるかはわからないが、落ち着き始めるのを待つだけだ。それまで、政府が言っていることに耳を傾け、規則を守ることが本当に重要だ。僕たちにできることはそれだけだ。僕はファンがラリーを恋しく思っていることを知っている。僕たちも同じだ。皆で協力して正しい方向に進むことで、この難局に打ち勝つことができる」