WRC2019/06/04

タナク、「自身にとって最も難しい勝利だった」

(c)Toyota

 ラリー・デ・ポルトガルで今季3勝目を飾ったトヨタGAZOOレーシングWRTのオイット・タナクは、間違いなく自身とってもっとも困難な勝利の一つだと戦いをふり返った。

 ポルトガル初日に行われたアルガニルの丘陵地帯のステージは、信じられないほどのダスティな路面コンディションとなったが、タナクは2番手という不利な走行順だったにもかかわらずに1回目のループから衝撃的な速さをみせてベストタイムを連発、首位へと浮上することになった。

 土曜日を可能な限りベストな走行順でスタートするためにも、金曜日こそがラリー最大の鍵になると語っていたタナクの計画はこの時点では完璧だったが、土曜日の朝にはブレーキラインのトラブル、その日の午後にはチームメイトのヤリ-マティ・ラトバラをリタイアに追い込んだダンパーのトラブルに彼もまた見舞われることになった。

 それでもタナクは首位をキープして今季3勝目を獲得、信じられないほどの試練と戦った末の通算9回目の勝利を誇りに感じているようだった。

「これは間違いなく僕にとって最も難しい勝利の1つだった。これまでも困難な週末はたくさんあったが、このラリーに勝つために僕たちが取った方法は大変だった」

「レッキの間、僕たちは難しい初日を予想していた。すべての路面がルーズでタフに見えたし、出走順は非常に重要に思えた。だが最終的に最初のステージをスタートすると、マシンのフィーリングが良く、バランスも掴めて上手くいった。この日のスタートポジションを考えると本当に良い順位にいて、それほど悪くなかった」

「しかし土曜日の朝、数kmを走った時点でブレーキラインが壊れ、僕たちはブレーキを失った。この後はかなり難しいステージになったが、まだラリーをリードしたままサービスに辿り着けた。しかし、午後も他の問題を抱えてしまい、それでもなんとか首位を維持することができて勝利のために競うことができた」

 タナクは、チームメイトのクリス・ミークがパワーステージでクラッシュしたことは計算外だったと語り、サルディニアでセバスチャン・オジエに一番手でコースを掃除してもらうためにも、オジエより遅いタイムを狙ったと語った。

「クリスがミスを犯し、それがすべてを変えた。セブは表彰台に上ることになったので、僕たちのポイントはその時点で並ぶことになった。僕はサルディニアで道路掃除の役をしないようにするには、少しスローダウンする必要があることに気付いたんだ」

 タナクは、選手権リーダーのオジエからわずか2ポイント差で後半戦最初のラリー・イタリア・サルディニアを迎える。