WORLDWIDE2021/02/14

タナク、オテパー・ウィンター・ラリーで優勝

(c)Ott Tanak

(c)Thierry Neuville

 ヒュンダイ・モータースポーツのオイット・タナクとティエリー・ヌーヴィルは、先週末の13日にエストニアで開催されたオテパー・ウィンター・ラリーにヒュンダイi20クーペWRCで参戦し、世界ラリー選手権第2戦として2週間後に行われるアークティック・ラリー・フィンランドに向けた完璧な準備を行った。

 ヒュンダイは先週、ロヴァニエミ近郊でアークティック・ラリーにむけたプレイベントテストを行い、さらにタナクとヌーヴィルはマシンの最終仕上げとして土曜日には、エストニア選手権イベントのオテパー・ウィンター・ラリーに出場してウォームアップを行った。

 エストニア南部に位置するオテパーを拠点とするこのラリーは、昨年WRCとして初開催されたラリー・エストニアでも使用されたことがあるステージをベースとした8SS/83.94kmで争われる。半年前に母国WRCラウンドを制したタナクは、高速グラベルステージが白銀のステージへと生まれ変わり、アークティック・ラリーのための完璧なコンディションとなったことをスタート前に喜んでいた。

「エストニアは良いコンディションになった。アークティック・ラリー・フィンランドに向けてリズムを整え、ラップランドでのテスト後のマシンのフィーリングを確認する良い機会になるだろう。WRCではシーズンにはたった1戦しかスノーイベントがないので、オテパーのラリーは本番に向けたとても特別な機会になる」

 タナクはオープニングステージからラリーをリード、コースオープナーとして1番手で走行したチームメイトのヌーヴィルをじわじわと引き離し、最終的に8つのステージを制して33.4秒差をつけて優勝を飾ることになった。朝のループでは、無観客での開催だったにもかかわらず、多くの観客がステージにいたことから、タナクが地元テレビにむけてエストニア保健評議会によって中断されるというリスクがあるのでファンに家に帰るよう訴えるシーンもあったが、最終的にステージは1つもキャンセルになることなく、ラリーはゴールを迎えている。

「非常に厳しい一日だった」と、ヒュンダイで5勝目を挙げたタナクは語った。「一日中、非常に雪の多いコンディションだったし、ラップランドのテストで見たものと比較しても、実際には似たようなコンディションだった。狭くて速い道もあれば、バンピーでツイスティなセクションもあった」

「最初のループはルーススノーが多く、2回目のループは前を行く小さなマシンのわだちが多かった。ラインがかなり変になっていたので大変だったが、たくさんの情報を集めることができたし、間違いなくここで多くのことを学ぶことができた。テストとしてはかなりいい機会になった」

 チームメイトのヌーヴィルは、新しいコドライバーのマルティン・ウィダーゲと初コンビを組んだ先月の開幕戦ラリー・モンテカルロでは3位でフィニッシュしたが、オテバーのイベントがさらなるシートタイムを増やしてコンビネーションの熟成を図るための絶好のチャンスとなったことを喜んだ。

「ラリーとしては僕がコースオープナーとして雪を掃除したので難しいものとなったが、ステージごとに改善できたと思うし、朝よりも終わりに満足している」とヌーヴィルは語った。

「いろいろなセッティングを試してみたんだ。でも、タフなイベントだったし、コンディションの変化が激しくてトリッキーなところもあった。最後には仕事が終わったので、次の北フィンランドで開催される世界ラリー選手権に向けての準備ができた。マルテインとのシートタイムが増えたこともよかったよ」

 また、オテパーには、モヴィスポーツからWRC2に参戦するニコライ・グリアジンもフォルクスワーゲン・ポロGTI R5で参戦、SS3を終えてR5マシンのEMV2クラスで首位につけていたが、ジャンプの着地のあとで転倒してコースオフ、マシンの前後に激しくダメージを負ってリタイアとなっている。彼とコドライバーのコンスタンタン・アレクサンドロフには幸いなことにケガがなかった。

 EMV2クラスでは地元のエゴン・カウール(フォルクスワーゲン・ポロGTI R5)が優勝を飾り、アークティック・ラリー・フィンランドに向けて順調な仕上がりをみせていた。