WRC2019/03/08

タナク、シェイクダウンで波乱のマシンストップ

(c)Michelin

 2019年世界ラリー選手権第3戦ラリー・メキシコは、トヨタGAZOOレーシングWRTのオイット・タナク(トヨタ・ヤリスWRC)がシェイクダウンをスタートしてすぐにメカニカルトラブルのためマシンを止めるという波乱のなかで始まることになった。

 シェイクダウンは昨年同様にレオンの北15kmに位置するジャノ・グランデの5.31kmのステージで朝10時からスタートした。快晴ともいる天気のなか、選手権リーダーのタナクが一番手で1回目の走行を開始するも、彼はわずか4.5km地点でマシンをコース脇に止めてしまう。

 チームはさらなる問題を引き起こす恐れがあるため、タナクにシステムをリセットしないように伝え、彼のマシンはローダーでレオンのサービスパークに戻されることになった。

 テクニカルディレクターのトム・ファウラーは、タナクに発生した問題が深刻であることへの懸念について冷静な表情でコメントした。

「残念ながら、彼はエンジンを動かすのに必要なセンサーへの1つの信号を失った。我々は何が悪いのか知っていて、それが大きな問題ではないと思っているが、マシンがサービスに戻ったあと、すべてを慎重にチェックしてから再びコースに戻すつもりだ。大きな問題はないと確信しているが、確認したい」とファウラーは語っている。

 シェイクダウンの1回目の走行は、クリス・ミーク(トヨタ・ヤリスWRC)が3分51.4秒のトップタイムをマーク、路面がクリーンになりはじめた2回目の走行ではシトロエンのエサペッカ・ラッピ(シトロエンC3 WRC)が3.5秒もタイムを縮めてトップを奪うも、3回目の走行でふたたびベストタイムを刻んだミークが昨年に続いてシェイクダウンを最速タイムで終えることになった。

 0.1秒差の2番手にはアンドレアス・ミケルセン(ヒュンダイi20クーペWRC)、選手権リーダーが消えたあと、事実上の一番手でコースをスタートしたティエリー・ヌーヴィル(ヒュンダイi20クーペWRC)は1回目の走行では7秒近い遅れを喫したが、3回目の走行でミークから0.3秒遅れの3番手タイムをマーク、ダニエル・ソルド(ヒュンダイi20クーペWRC)がさらに0.1秒差で続き、ヒュンダイが2-3-4位の好スタートを切ることになった。

 セバスチャン・オジエ(シトロエンC3 WRC)は1回目の走行でもトップタイムから0.2秒差につける速さをみせたが、そのあとはマシンとタイヤをチェックしながら慎重な走りでミークから0.9秒差の5番手タイム、ヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC)が6番手タイムで続き、3回目の走行でペースを上げられなかったラッピが8番手タイムでシェイクダウンを終えている。

 なお、タナクは2時間あまりを要した修理のあと、記者会見を欠席してトップドライバーの枠外の時間ながらシェイクダウンの2回目の走行を行って、マシンの問題が解決していることを確認している。

■シェイクダウンタイム
1. K.ミーク 3分44.2秒
2. A.ミケルセン 3分44.3秒
3. T.ヌーヴィル 3分44.5秒
4. D.ソルド 3分44.6秒
5. S.オジエ 3分45.1秒
6. J-M.ラトバラ 3分45.4秒
7. E.エヴァンス 3分45.5秒
8. E.ラッピ 3分46.7秒
9. O.タナク 3分48.1秒
10. T.スニネン 3分48.5秒