WRC2019/10/10

タナク、スウェーデン流でパワーステージを制す

(c)Toyota

 トヨタGAZOOレーシングWRTのオイット・タナクは、トリッキーなコンディションとなったラリーGBのパワーステージを果敢に攻めて、見事、パーフェクトな勝利を飾ることになった。彼はラリー後の記者会見で、パワーステージの序盤はタイムを落としたが、スノーバンクの代わりに路肩をつかったスウェーデン・スタイルで追い上げたと告白して世界を驚かせている。

 ラリーGBの最終日、タナクは10秒近くをリードして最終ステージをむかえ、すでに勝利は約束されたも同然のなか、大きくマシンをスライドさせて路肩のバンクに二度三度とヒットさせながらも難しいコンディションに怯むことなく、パワーステージを制して勝利を飾っている。

 今季6回の勝利のうち、パワーステージも制してフルポイントを獲得したのは4回だ! 残り2戦でドライバーズ選手権2位のセバスチャン・オジエを28ポイント差に突き放すことに成功したタナクは、最高の気分だと週末をふり返った。

「(パワーステージは)完璧なスタートではなかった。最初はかなり雨が降っていたので、グリップが低く、路肩から支えを得なければならなかった。たぶん少しスウェーデン・スタイルだったかもしれないが、最終的に借りを返せた。パワーステージでもマシンに完全な自信を持てていたし、フルポイントを獲得するチャンスを逃すわけにはいかなかったからね」
 
 タナクは一年前、ラリーGBの勝利目前でスイートラムでマシンをストップするという悪夢によって初タイトルに近づくチャンスを失い、地面に仰向けになって呆然と空を見上げることになった。40秒をリードして勝てなかった昨年と異なり、今年は最大で11.1秒という僅差のバトルが最後まで続くことになったが、タナクはチャレンジングなステージでも自分には一貫性があったと勝因を分析した。

「ふり返ってみると、今年はすべてのステージでギャップが非常に小さく、常にステージに挑戦しなければならなかった。土曜日のフォレストステージはひとつも勝利しなかったし、金曜日もいくつか勝利しただけだ。しかし、僕たちは今年、ただただ一貫した走りができた。優勝できて最高の気分だよ」