トヨタGAZOOレーシングWRTのオイット・タナクは、過去2年におけるラリー・メキシコでチームが頭を悩ませたオーバーヒートの問題は、再び起こることはないと確信しており、一番手という不利なポジションでも優勝のチャンスがあると信じている。
タナクは、昨年のメキシコではターボの破損で二日目にデイリタイアしたために14位に終わっているが、トヨタでの初めてのグラベルラリーとなったにもかかわらず、初日に3位につける速さを見せたほか、パワーステージを制している。
タナクは今週末、選手権リーダーとして一番手のポジションで出走するが、セバスチャン・オジエの2013年と2015年の結果が、一番手からの出走であっても勝利が可能であることを証明しているように、この困難なチャンレンジでもすべてがうまくいけば勝機があると信じている。
「僕はすべてのラリーに勝つことが可能だと信じている」とタナクは語った。
「もちろんそのためにはすべてが有利に進む必要がある。初日に一番手で走ることは間違いなく勝つために最も適した位置ではない」
「それは簡単なことではないだろう。しかし昨年のメキシコで、この出走順からも良い結果が得られる可能性があることがわかったので、どうなるか見てみよう」
ヤリスWRCはグアナファトの標高の高さと暑さの組み合わせになかなか適応することが出来ず、2017年は2台ともにエンジンのオーバーヒートに見舞われてトップ5入りを果たせず、昨年もこの問題はやや解決方向に進んだとはいえふたたびチームは同じ問題に悩まされることになっている。
しかし、タナクは、昨年9月のラリー・トルコでの勝利はチームがすでに問題を掌握したことを示していると語った。
「僕はこの問題が解決されたことに自信を持っている。僕たちは(マシンの)最初の良い変化をすでにトルコの前に見た。トルコ以降は、さらなるステップを実行した」
「確かに、標高があるのでトルコよりも事態は少し悪いが、エンジニアが自信を持っているのであれば僕たちは心配するべきではない。すべてがうまくいくと信じている」
トヨタは、メキシコの石がごろごろしたグラベルステージを再現するために、スペインで様々なコンディションの道路を見つけてプレイベントテストを行っており、タナクは今季初のグラベルラウンドに向けてマシンへの手応えを感じている。
「僕たちはスウェーデンの翌日の月曜日から2日間グラベルテストを行なうためにスペインに直行した。そしてメキシコにむけて最大限に準備をするために、テストにおいてさまざまなことに取り組んだ」とタナクは付け加えた。
「もちろん一番の目標はポイントを獲得することだが、チャンスがあれば勝利を掴みにいくつもりだ」