WRC2021/12/24

タナク、ヒュンダイの2021年に向けた作業を賞賛

(c)Hyundai

 ヒュンダイ・モータースポーツのオイット・タナクは、2021年の世界ラリー選手権投入にむけてチームが新しいi20 N Rally1の開発作業を完全な形で準備できたことを賞賛した。

 アルゼナウを拠点とするヒュンダイ・モータースポーツは、3メーカーの中で最後にハイブリッドRally1カーを完成させたチームとなった。しかし、10月末にはイタリアで3日間にわたって実戦形式の集中テストを行ったほか、12月初旬にはこれまでテストを行ってきた初期のプロトタイプのRally1カーから「ホイール以外はすべて新しい」とチームが豪語した2022年仕様の最新スペックへと切り変えて開発テストをこなす計画だった。

 チームにとって誤算だったのは、6日間にわたってアルザスで計画したニューマシンのターマックテストは、初日にタナクが走り、2日目にオリヴァー・ソルベルグが引き継いだあと、想定外の雪によって一時中断、その数日後に南西フランスに舞台を移して再開したテストはティエリー・ヌーヴィルがテストカーを全損させることになってしまい、開発作業に深刻な影響が出ることが懸念されていた。

 それでもチームは徹夜作業で最新スペックのテストカーを準備して、先週末、3週間ぶりにテストを再開、ヌーヴィルが土曜日と日曜日の2日間にわたってテストを行ったあと、タナクが月曜日と火曜日にテストを行っている。

「このマシンについて、みんなは本当に素晴らしい仕事をしてくれた。強力な新しいシャシーを手に入れ、間違いなく大きな一歩を踏み出すことができた」とタナクは語った。

 タナクの月曜日のテストはほぼドライコンディションのなかで走行、朝の段階では走行のたびにセットアップに時間をかけ、午後になってからは連続してコースを走ることになり、その様子からも走りにいいフィーリングを掴みつつあることがうかがえた。火曜日は、より濡れた路面でのテストとなったが、彼は波乱に見舞われることもなく、淡々と作業をこなしていたように見えた。

「もちろん、開幕までにできるだけ多くの距離を走りたい。しかし、すでにマシンを走らせてみると、デザイナーとエンジニアが短期間に素晴らしい仕事をしてくれたことがわかる。まだやるべきことがあるのは分かっているが、(このクルマは)間違いなく期待できる」

 ヒュンダイ・モータースポーツのテストは、水曜日にオリヴァー・ソルベルグへと引き継がれ、年内のテストスケジュールをすべて終えることになった。1月1日にはすべてのマニュファクチャラーチームのRally1カーのFIAホモロゲーションが承認される予定となっており、ヒュンダイは来月初めにふたたびフレンチアルプスへと戻ってラリー・モンテカルロに向けた事前テストを行う予定である。