WRC2020/05/20

タナク、フィンランドは僕の闘争心に火をつける

(c)Hyundai

 エストニアからバルト海を渡るだけの短い旅でたどり着く湖と木々の国で争われるラリーを走ることは2019年のワールドチャンピオン、オイット・タナクにとっては世界ラリー選手権カレンダーの中の他のどの1戦よりも彼の闘争心に火をつけるという。

 wrc.comが企画するWRC Favouritesの第2回エピソードに登場したタナクは、ラリー・フィンランドはその超高速性、精密性と最初の1kmから最後まで限界ギリギリでのドライビングが要求されることを明かし、このフィンランドを彼にとっての史上最高イベントのトップに位置づけている。

 このグラベル・ジェットコースターともいえるラリー・フィンランドにおいて、タナクは2018年と2019年にトヨタ・ヤリスWRCを駆って2年連続でラリー・フィンランドに優勝している。

「実際、僕のお気に入りのラリーは(選ぶのは)結構簡単だよ。高速で、テクニカルで、基本的にはアドレナリンが上がるイベントだ」とタナクは語っている。

「クルマにとってはそうでもないけど、ドライバーにとってはハードだ。そこでは非常に正確であることが求められ、限界ギリギリまでプッシュすることが必要だ。ハイスピード、そしてトリッキーでもある、だけど僕にとって楽しいイベントだ」

 タナクがこのラリーのパイヤラー・ステージを選手権の中でいちばん好きな道として選ぶことに驚きはない。ワイドな道でのクレスト、ジャンプ、そしてテクニカルなセクションが満載のこの豪快なステージ、パイヤラーについてタナクは、あの有名なオウニンポウヤよりも高く評価している。

「オウニンポウヤの特徴といえば少しそんな感じかもしれない、でも場所によってはオウニンポウヤよりもさらにトリッキーだと言えるかもしれない。そこで感じるアドレナリンの上昇、精密性、ハイスピード、大きな道路、クルマのセッティング、多くのクレストやジャンプ、そのすべてが異なっている、これこそが本当に多くのフォーカス(=集中)を必要とする」と彼は説明している。

 「フォーカス」と言えば、お気に入りのクルマを聞かれた時もタナクの頭の中に真っ先に浮かんだのはその名前だった。

 タナクは、彼のエストニアの同胞であり、師匠、そして現在のビジネスパートナーでもあるマルコ・マルティンが2003年にエストニア人ドライバーとして初めてラリー・フィンランドを制したフォード・フォーカスRS WRC03をベストラリーカー選んでいる。